家族にも人気の高い揚げ物料理。実は、「揚げ物に使う油」によって仕上がりが大きく変わることご存じですか? 油ごとの特徴を知ることで、揚げ物料理が何倍も楽しく、そしておいしくなるはずです。今回は、油に適した料理方法と、温度の見分け方、何かと悩みがちな処理方法までをご紹介します。
- 揚げ物のきほん INDEX
- 1.揚げ物いろいろ編ー知っているようで意外と知らない、揚げ物の世界
- 2.油の種類編ー料理別おすすめの揚げ油と温度、油の捨て方←今回はここ
- 3.おいしい揚げ方編ーサクッとおいしい天ぷらの揚げ方
油の種類と向いている料理
「油」といっても、原料や製造方法によって様々な種類があり、味わいも違います。また、生食や加熱に向く、向かないタイプなど種類によって用途も異なります。一般的に売られている油の特徴や向いている調理方法、揚げ油として使う時のコツなどをご紹介します。
サラダ油
料理用に精製された植物油脂の一種。低温でも油が固まったり濁ったりしないように精製されています。マヨネーズやドレッシングなどの料理(=サラダ)に使いやすい、ということから「サラダ油」と呼ばれるようになりました。
向いている揚げ物料理:揚げ物全般
キャノーラ油
なたね油の一種。品種改良され、身体に有害と言われるエルカ酸を含まないキャノーラ品種から抽出されたものがキャノーラ油と呼ばれています。加熱に強く揚げ物にむいています。
向いている揚げ物料理:揚げ物全般
ごま油
ごまを炒って絞った油で、琥珀色で香ばしい香りがあります。抗酸化成分を多く含むので、酸化しにくいのが特徴です。
向いている揚げ物料理:天ぷら
こめ油
玄米の表皮と胚芽から搾った植物油です。味は軽く、食べた後の胃のもたれが少ないので、日本料理には欠かせない油です。
向いている揚げ物料理:天ぷら
べに花油
その名の通り、紅花の種子から摂れる油です。炒めものや揚げ物など、市販されている他の多くの油と同じように幅広く使うことができます。熱にも強く、あっさりしていて軽い揚げ上がりが特徴です。
向いている揚げ物料理:揚げ物全般
オリーブオイル
オリーブの果実を絞ってろ過した植物油で、「エクストラバージン」と「ピュア」と呼ばれるものの2種があります。オリーブの実をしぼっただけのオイルが、エクストラバージンオリーブオイル。しぼっただけのオイルを精製して、エクストラバージンオイルをブレンドしたものがピュアオリーブオイルです。揚げ物に使う場合は、主にピュアオリーブオイルを使用します。エクストラバージンオイルは加熱すると香りが飛んでしまうため、ドレッシングやカルパッチョなどそのまま使うお料理に向いています。
向いている揚げ物料理:素揚げ、フリッター
オリーブオイル関連記事
コーン油
トウモロコシからコーンスターチを製造する際に分離した胚芽を原料とした油脂です。胚芽に含まれる天然の植物ステロールがたっぷり含まれています。
向いている揚げ物料理:天ぷら、衣揚げ
コープ九州で取り扱っている食用油
COOP 一番搾りキャノーラ油
なたね100%、圧搾製法による一番搾り油のみを使用
COOP キャノーラ&コーン油
揚げ物をカラッと仕上げる名コンビ
COOPオリーブオイル
クセがなくマイルドな風味。幅広い料理に使えます
COOP 純正ごま油
ごまを香ばしく煎って、風味豊かに仕上げました
揚げ油の「最適温度」の見分け方
菜箸を使えば油の温度は一目瞭然!それぞれの温度帯別に、最適温度を見分ける方法をご紹介します。さらに揚げる温度によって向いているお料理を、料理家のコンドオミユキさんにおしえてもらいました。
150〜160℃(低温)
菜箸を入れてしばらくしてから細かい泡が上がってくる
低温で揚げるのに適した料理:
じっくりと火を通したい鶏肉の唐揚げや、火が通りにくい根菜類の素揚げなどは低温でゆっくりと揚げていきます。色をきれいに出したいシシトウや大葉などの葉物も低温で揚げます。
170℃前後(中温)
菜箸全体からすぐに細かい泡が絶え間なく上がってくる
中温で揚げるのに適した料理:
野菜の天ぷらやかき揚げ、フライ、フリッター、冷凍食品など、揚げ物全般に。表面を焦がさずに中までしっかりと火を通すことができます。
180〜190℃(高温)
菜箸全体から大きめの泡が勢いよく上がってくる
高温で揚げるのに適した料理:
すでに火が通っているコロッケや、火が通りやすい魚や海老などの天ぷらに。鶏の唐揚げは、低温で揚げた後に高温で30秒ほど2度揚げすることで、衣がサクサクッと仕上がります。
揚げておいしい!揚げ物レシピ
揚げ物といえばコレ
「サクッとジューシーな鶏唐揚げのコツ」
油少なめで2度揚げいらず。フライパンを使って一気に揚げられて、サクサクジューシーな唐揚げの作り方をご紹介します。揚げ上がりを見極めるポイントも要チェックですよ。
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ふんわりシャキシャキ
「乾燥ごぼうと豆腐の落とし揚げ」
乾燥ごぼうのシャキシャキとした食感、そして具材の彩りのよさも楽しいがんもどきのような一品。材料を混ぜたら、手で丸めて揚げるだけと意外に手軽です。具材を変えながら好みの味わいを見つけるのもいいですね。
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食感楽しい
「野菜と納豆の春巻き」
納豆のネバネバ感と春巻きのパリパリ感が意外と好相性のレシピです。野菜と一緒に切り干し大根を入れることで、さらに食感アップ。味付けはそのままでも、酢醤油やからしをつけてもおいしく召し上がれます。
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衣サクッ!だしがじゅわっと溢れる
「こうや豆腐の唐揚げ」
こうや豆腐を唐揚げにするシンプルレシピ。揚げたてを食べてみると、外はサックサク、中からジュワ〜ッとだし汁がしみ出してきて、ほっぺたが落ちそうです。酢豚風やみぞれ煮にアレンジしても◎。
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冷凍さといもで時短!
「さといものにんにくバター醤油」
揚げたさといもをにんにく、バター、醤油で和えただけのシンプルなおつまみレシピ。あらかじめ皮をむいて湯通し・凍結してある冷凍さといもを使用するので、袋から出したら凍ったまま揚げて調味料と絡めるだけで完成します。
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揚げ油の再利用、長持ちさせる保存法と使える回数
揚げ物でたくさん使った油、1度だけで処分してしまうのはもったいないですよね。使った油の保存方法や、使える回数、上手な再利用方法についてご紹介します。油が劣化したなと感じた時は速やかに処分することも大切です。
劣化を防ぐための保存の仕方と保存期間
- 1) 使い終わったら油がまだ温かいうちに網じゃくしなどで、揚げカスを取り除きます。
- 2) やけどしない程度に油が冷めたら、こし器やコーヒーのペーパーフィルターなどを使ってさ
らに細かい揚げカスを取り除きます。 - 3) 揚げカスを取り除いたら、酸化を防ぐためにオイルポットや瓶など密閉できる容器にいれて
冷暗所で保存。 - 4) 1回目の使用から2〜3週間で使い切ってください。
- 1) 使い終わったら油がまだ温かいうちに網じゃくしなどで、揚げカスを取り除きます。
- 2) やけどしない程度に油が冷めたら、こし器やコーヒーのペーパーフィルターなどを使ってさらに細かい揚げカスを取り除きます。
- 3) 揚げカスを取り除いたら、酸化を防ぐためにオイルポットや瓶など密閉できる容器にいれて冷冷暗所で保存。
- 4) 1回目の使用から2〜3週間で使い切ってください。
繰り返し使う目安は、2〜4回
野菜を揚げただけの油と、肉や魚を揚げた油では再利用できる回数は異なりますが、汚れや劣化の少ない油なら2〜4回ほどは使用できます。フライやカツ、唐揚げなどは汚れやすくなるので注意が必要。野菜の素揚げや野菜の天ぷらは比較的きれいな状態で油を使えます。料理ごとに使う順番を工夫するといいですね。
油の劣化のサインは?
油の劣化の主な原因は、加熱や空気、光や水分による酸化です。状態の良くない油を使うと、胸焼けや吐き気をおこしてしまうことも。油に下記のような変化がでてきたら痛んできた証拠です。潔く処分しましょう。
- □ 使う前よりも色が濃く、褐色になった
- □ ドロドロとして粘り気がある
- □ 嫌な匂いがある
- □ 揚げ物をした時に泡立ちが消えない
- □ 油を熱した時に180℃前後になると煙が出る
コープ九州で取り扱っている オイルポット
つぎ油しながら繰り返し使えるオイルポット
CO・OP油ろ過器(二重口・アミつき)
つぎ油しながら油を繰り返し使える油ろ過器です。今まであきらめていた汚れや臭い、水分も特殊フィルターで取り除きます。油切れのよい二重口付き。
「CO・OP油ろ過器」専用のろ過紙
CO・OP 油ろ過紙
立体ろ過方式により、揚げカスだけでなく、1枚のこし紙では取り除けなかった食用油の匂いや水分までを取り除きます。つぎ油しながら、食用油を経済的にご使用いただけます。
ベストな油の処理の仕方とは…?!
意外と困るのが、調理後の油の処理。簡単にできる油の処理方法をご紹介します。環境にやさしい捨て方もマスターすれば、もう揚げ物マスター!
1.新聞紙を使う
ポリ袋や口を開いた牛乳パックなどに新聞紙を入れ、冷めた油を流しこんで油を吸わせます。新聞紙の代わりに漫画雑誌などでもOK。ガムテープなどで密閉してそのまま可燃ごみとして捨てられます。
2.片栗粉・小麦粉を使う
油がまだ温かいうちに、油と同量の片栗粉や小麦粉を入れます。そのまま冷ますとドロッとした状態になるので、ビニール袋などに入れて口を縛り、可燃ごみとして捨てます。少量の油や、賞味期限の切れた小麦粉などがある時におすすめの方法です。
3.油凝固剤を使用
市販されている油凝固剤を利用して、油が熱いうちに入れてかき混ぜるだけで、しっかりと固まります。固まったら燃えるゴミと一緒に捨てます。ゴミ出しの時にこぼれたりする心配もない手軽な処理方法です。
コープ九州で取り扱っている油処理商品
いらなくなった油を吸わせてポイッ
CO・OP 油の処理パック(油500ml用・3個入)
いらなくなった油をパックに入れて吸わせるだけ。袋の中の吸収剤がスピーディーに油を吸い取り、油がもれる心配もありません。パックごと捨てられます。
油も揚げカスもまとめて固めてポイッ
CO・OP油処理剤固めるタイプ(18g×10包入り)
1包で600mlの油と揚げカスを固めて簡単に捨てられます。手や流し台、排水管を汚さず、油を簡単に処理。鍋やフライパンの後始末も簡単です。
油の温度と使い方を知ったところで、ついに実践です。次回は、ついつい避けてしまいがちな「天ぷら」を、ご家庭でもサクッと揚げるコツをご紹します。
( SATETO編集部 寺尾 )
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