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調理のきほん 油少なめ!2度揚げなし!フライパンでサクサク鶏唐揚げ(下味〜揚げ方)

普段の食卓にはもちろん、お弁当、おつまみなどにも大活躍の鶏の唐揚げですが、いざ作るとなると、サクッとジューシーに揚げる自信がない……。そんな方も少なくないと思います。そんな唐揚げを「おうちで上手に揚げたい」という切実な思いを抱いてSATETOの若き編集部員がやってきたのは、お馴染み、料理家・宮崎知花さんのご自宅です。今回は基本の唐揚げの作り方を〈下ごしらえ編〉と〈揚げ方編〉の2回に分けてお送りします。

料理教室「スマイルスマイズ」主宰。
大手料理教室に13年勤めた後、第1子出産を機に自宅教室を開始。
2児の母でもある宮崎さんは、ときにはご自身のお子さんも一緒に料理
レッスンをおこなっています。

料理教室「スマイルスマイズ」主宰。大手料理教室に13年勤めた後、第1子出産を機に自宅教室を開始。2児の母でもある宮崎さんは、時にはご自身のお子さんも一緒に料理レッスンを行っています。

昨秋に結婚した(まだまだ)新婚の編集部員。
実家暮らしが長く、料理はもっぱら母親任せだったが、少しずつ料理
のレパートリーが増えてきた昨今。夫の胃袋をつかむべく日々奮闘中。

昨秋に結婚した(まだまだ)新婚の編集部員。実家暮らしが長く、料理はもっぱら母親任せだったが、少しずつ料理のレパートリーが増えてきた昨今。夫の胃袋をつかむべく日々奮闘中。

 

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フライパンでサクッとジューシーな唐揚げのコツ

こんにちは、いらっしゃい。
こんにちは。前回のステーキの焼き方レクチャーでは大変お世話になりました!今回もよろしくお願いします。
あれからステーキは焼かれました?
はい、2度ほど。なかなかおいしく焼けましたよ。
それは良かった!
今日は鶏の唐揚げですが、普段、揚げ物はしますか?
いえ、実はほとんどしていなくて。油を大量に使うのがちょっと不安だし、その後の処理も面倒だなと思ってしまって……。
揚げ物って最初は抵抗ありますものね〜。ぜひ今日は揚げ物の第一歩として唐揚げを覚えて帰ってくださいね。
はい! 頑張ります!

▲ 第2回目となるレクチャーには、前回に引き続きSATETO編集部員の熊抱が挑戦。夫の大好物、鶏の唐揚げを作るだけあって、気合は十分です。

下ごしらえも手を抜かずに

今回使用するのは、鶏のモモ肉2枚(約400g)。ほどよく脂がのっているので、やわらかくジューシーな唐揚げに仕上がります。脂分がちょっと苦手……という方は、あっさりして淡白なムネ肉をおすすめします。

鶏唐揚げの材料(4人分)

鶏モモ肉…2枚(約400g)
片栗粉・小麦粉…各大さじ2
揚げ油…適量
 
 
(A)下味
しょうゆ 大さじ2
酒…大さじ1
砂糖…小さじ1
生姜(みじん切り)…小さじ1
にんにく(みじん切り)…小さじ1(約1片)
塩・こしょう…少々
 

1.ペーパーで水気を取る

鶏肉を冷蔵庫から取り出したら、まずはしっかりと水気を拭き取ります。天ぷらでもフライでも同じですが、食材の水気をしっかり拭き取っておくことが、下味が馴染みやすくなり、カラッと揚げるための大切なポイントになります。
そうなんですね!今まで拭いたことなかったです……。

2.筋や脂肪を取り除く

筋や黄色い脂肪を包丁で切り落としていきます。
どうしてですか?
筋は、加熱すると固くなるので取っておくのがベスト。調理法によっては、ほどよく脂肪を残したほうがいい場合もあるけれど、今回は揚げ物なので余分な脂肪やはみだした皮を取り除いたほうが、しつこさがなくなります。脂肪は臭みの原因にもなるので、基本的に取ることをおすすめします。

3.皮目に穴を開ける

鶏肉の皮目に、フォークで突き刺すようにして全体に穴を開けていきます。そうすることで、焼き縮みが防げて、下味が染み込みやすくなります。
うっ、結構皮が固いですね……。
そうそう、勢いよくグサッといってください。包丁の先を使ってもいいですね。ここまで終わったら、一口大に切り分けていきます。
けっこう大きいのですね。火の通りが心配で、小さめにカットしがちでした。
サイズはお好みですが、大ぶりのほうがジューシーで食べ応えがあるから、私は大胆に切っちゃいます。揚げやすさも考えると、ひとカットあたり40g前後が目安。例えば今回は約400gのお肉なので、10カットに切り分けるとわかりやすいですよ。

※この日は約200gの鶏肉を2枚使ったので、1枚あたり5カットに切り分けました。

 

4.下味をつけたら冷蔵庫へ

今日は、ビニール袋を使って下味をつけます。味なじみがいいだけでなく、洗い物も減るし手も汚れないでしょ。
手軽な上にいいことづくめ!
ビニール袋に鶏肉と下味(A)の調味料を入れて袋を揉むようにして味をなじませたら、空気を抜きながら袋の口を縛って、冷蔵庫に5〜10分ほど寝かせておきましょう。食材を冷やして揚げ油との温度差を大きくすることで、カラッと仕上がります。あと、下味に砂糖を入れておくことも、お肉をやわらかく揚げるための大切なポイントなんです。蜂蜜でもいいですよ。

空気はしっかり抜きましょう。味なじみがよくなります。

さあ、いよいよ揚げていきますよ


さてここからが本番。
手際よく一気に揚げていきます。

今日は天ぷら鍋ではなくて、どこの家庭にもあるフライパン(※)で揚げていきたいと思います。
フライパン!?
フライパンって便利ですよ〜、炒め物も、揚げ物も、なんなら炊飯もOK(笑)。古くなったフライパンでも揚げ物用にすれば気にならないし。
へ〜! でも、フライパンのような浅い鍋でもきちんと揚げられるのですか?
フライパンだと面積が広いので一度にたくさん揚げられるでしょ。少なめの油でもたくさんの量の鶏肉を入れることで、油のかさが増して、揚げやすくなります。
油を大量に使わなくていいのはうれしいです! フライパン万歳ですね(笑)。

※テフロン加工のフライパンは、高温で加工が剥がれるおそれがありますのでご注意下さい<
※今回は28cmのフライパンを使用しました

5.揚げる直前に衣をまぶす

今日は小麦粉と片栗粉2種類の衣を用意しています。せっかくなので揚げ比べ・食べ比べをしてみましょう♩
それは楽しみです〜。
小麦粉と片栗粉でどんな風に違うのですか?
それはできあがってからのお楽しみ〜。
う〜、お腹が減ってきました……。
ではさっそく衣をまぶしましょう。下味をつけたときと同様、ビニール袋を使うと洗い物も減るし、鶏肉全体にまんべんなく衣がつきやすいですよ。
ビニール袋、大活躍ですね!
片栗粉(または小麦粉)大さじ2を入れたビニール袋に鶏肉を加え、空気を入れるように持ったらシャカシャカ振ります。このとき大事なのは、衣は必ず揚げる直前にまぶすこと。時間をおくと衣がベチャッとなってしまって、カラッと揚がらない原因になるので。
はい!(シャカシャカと袋を振る)

6.はじめ中温、終わり高温

▲ 油の温度の見極めは菜箸を使って。写真は中温。

衣をまぶしたらすぐに揚げられるように、油の準備もしておきます。油の量は2センチくらい。まずは中温(約170℃)になるまで加熱します。
油の温度を判断するのが難しいです……。
菜箸を使うと分かりやすいですよ。水で湿らせた菜箸の先を油に入れて、しばらくしてから細かい泡が上がってくるのが低温(約160℃)、菜箸全体からすぐに細かい泡が上がってくるのが中温(約170℃)、菜箸全体から大きめの泡が勢いよく上がってくるのが高温(約180℃)。覚えておくととっても便利です。

7.皮目を下にして油に入れる

衣が全体についたら、ひとつずつフライパンに入れていきます。皮目を下にして油に入れることで、皮までパリッと仕上がりやすくなります。
それは考えたことなかったです。ええと、どこが皮かな……?(もたつく)
間を空けずに全部入れて〜。揚げ上がりにムラができちゃいますよ〜。
は、はい……(焦)!

8.鶏肉を空気に触れさせる

しばらく中温で揚げて、皮面がほんのりきつね色になってきたら裏返してさらにしばらく揚げます。途中、鶏肉を箸で持ち上げるようにして、1〜2秒ほど鶏肉全体を空気に触れさせてください。
なぜですか?
いわゆる“二度揚げ”と同じ効果があるんです。鶏肉が空気に触れることで、余分な水分が飛んで表面がカリッとなります。“二度揚げ”が手間だと感じている方にはおすすめの揚げ方です。
そんなやり方があるのですね! 正直、二度揚げはちょっと面倒なので嬉しいです(笑)。

9.揚げ上がりは音と振動で見極める

全体がほんのりきつね色になったら、強火にして高温で揚げます。
中まで火が通っているか心配になることがあるのですが……。
油の音がジュージューからチリチリと高く細かくなってきたら、お肉をひとつ菜箸で持ち上げてみてください。箸を通してジジジジ……という振動が手に伝わってきたら、中心まで火が通っているサインです。
振動……!? 考えたこともありませんが、どれどれ、分かるかな……。(菜箸で持ち上げる)
わ〜っ、本当だ! ジリジリしてます!
でしょ〜? ではさっそく油から上げましょう。

10.皮目を上にして油を切る

手際よくバットに取り出していきましょう。このとき、皮目を上にして油を切ると表面がカラッとした仕上がりになります。バットの上では鶏肉どうしがくっつかないように。くっついてしまうとベチャッとなりやすいので、最後まで気を抜かずに。
はい!
おいしそうに揚がっていますね〜。さっそく食べてみましょうか。
おいしそう! いただきます〜。

▲ 片栗粉(左)と小麦粉(右)を食べ比べてみます。片栗粉のほうがゴツゴツして白っぽい感じ。

(同時にかぶりつく)
ちゃんと衣がサクサクしてる! 火の通りもバッチリだし、味も中までしっかりついていますね。ジューシーでおいしい〜、うれしい〜。
衣が片栗粉のものはカリッとしているけど、小麦粉のほうはしっとりしてる?
その通り!片栗粉はザクザクした感じが出ますね。片栗粉と小麦粉を混ぜてもおいしいし、ふんわりさせたいときは溶き卵をつけてから衣付けするのもおすすめ。コーンフレークや煎餅を砕いてまぶしても、サックサクでおいしいですよ。
へぇ〜。いろんな衣があるんですねー
片栗粉と小麦粉、熊抱さんはどちらがお好み?
う〜ん……どちらかというと小麦粉のほうかなあ。母親が作る唐揚げと似ているからかもしれません。
自分の舌が覚えている味は馴染みやすいですよね。唐揚げは下味や衣を変えるだけで色々な楽しみ方ができるのも魅力。ぜひ熊抱さんのおうちの味をみつけてみてくださいね。
唐揚げが作れるというだけで、一人前に近づいたような気がします(笑)。本日はありがとうございました!

「唐揚げ」に対して、大量の油を使うことへの抵抗感や、油の後処理、火の通りや揚げ加減など、いろいろな面から身構えてしまっていた私ですが、今回、ひとつひとつのポイントを押さえていくことで、その不安が解消されていきました。個人的に驚いたのは、振動で火の通りをチェックすること。まさに「料理とは五感をフル回転させることが大切」なのですね。わたしの料理レパートリーに新たに加わった「鶏唐揚げ」をわが家で実践するのが楽しみです。(熊抱)

>揚げ物のあとの油処理の方法はこちら

▲ 宮崎さん、ありがとうございました!


教えてくれたひと

料理教室「スマイルスマイズ」主宰
宮崎知花
大手料理教室で13年間務めた後、出産をきっかけに自宅で料理教室を開始。料理とパンづくりを同時に学ぶことができる1回完結レッスンや、親子で一緒に料理が楽しめる親子レッスンなどを定期的に開催しています。

唐揚げのアレンジレシピ

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野菜も一緒にパクッ
「唐揚げの野菜たっぷりあんかけ」

家の冷蔵庫にある野菜をあんかけにして、唐揚げにかけていただきます。野菜あんは、唐揚げ以外にも麺やごはんにかけたり、味付けを和風だしやコンソメに変えたりと、いろんなアレンジが楽しめます。

時短で中華が完成!
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一から作ろうとするとなかなかハードルが高い酢豚ですが、唐揚げを使うことでパパッと酢豚風の味わいが簡単に再現できます。お肉はもちろん、野菜もたっぷり!カラフルな野菜と、ゴロゴロと入った唐揚げが食欲をそそります。

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「揚げ物に使う油」によって料理の仕上がりが大きく変わることご存じですか? 油ごとの特徴を知ることで、揚げ物料理が何倍も楽しく、そしておいしくなるはずです。油に適した料理方法と、温度の見分け方、保存方法や再利用できる回数、処理方法までをご紹介します。

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コメント

  1. 般若

    はじめまして、さっき初めてみてコメントを書きます。すごい参考になるし助かります。料理を作るのは簡単ではないと最近思ってます。味付けがいちばん難しいいと思ってます
    ありがとうございました!また観ます。

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