おうちのキッチンでお店のように天ぷらをカラッと揚げるのは難しい…と苦手意識をお持ちの方も多いのではないでしょうか。そこで今回は、お店みたいにサクッと揚がる衣の作り方や揚げ方など、天ぷらにまつわる素朴なギモンを、料理家のコンドオミユキさんに教えていただきました。天ぷら粉は使わずにサクサク!カラッと揚げるコツをぜひマスターしてくださいね。
- 揚げ物のきほん INDEX
- 1.揚げ物いろいろ編ー知っているようで意外と知らない、揚げ物の世界
- 2.油の種類編ー料理別おすすめの揚げ油と温度、油の捨て方
- 3.おいしい揚げ方編ーサクッとおいしい天ぷらの揚げ方←今回はここ
\ 天ぷらの基本を動画でチェック /
\ お店みたいなサクサク天ぷらを揚げるポイント /
1)とにかく水分を残さないこと!
下ごしらえの時に心がけたいのが、とにかく水分を残さないこと。水分の多い食材や水洗いした後は、具材の水分をキッチンペーパーでしっかり取りましょう。このひと手間が、カラッと揚がるかどうかの決め手になります。
2)衣には、冷水の代わりにキンキンに冷えたビールを
天ぷらをサクッと揚げるためには、衣の中の余分な水分を蒸発させることがポイント。揮発性が高いアルコール、そしてガスを発生させて衣の中に気泡を作る炭酸は、どちらとも水分を蒸発させやすい性質があります。意外かも知れませんが、両方の条件を併せ持った「ビール(発泡酒等でも可)」を水の代わりに使うといいですよ。
3)衣付の前に、打ち粉を忘れずに
衣液につける前に、小麦粉を全体に薄くまぶす作業(打ち粉)をしておきましょう。具材に残っているわずかな水分を吸収し、衣液がよりつきやすくなります。打ち粉をすることで、均一に衣がついてきれいな仕上がりに。
4)油の温度は、具材によって低温〜高温を使い分ける
ししとうやパプリカなど彩りを残したい野菜や、葉物は低温(150℃〜160℃)、その他の野菜は中温(170℃前後)、薄切り肉や魚介系など火を通しすぎるとかたくなるものは高温(180℃〜190℃)でサッと揚げるのがベストです。
「ビールでカラッ!サクッ!天ぷらレシピ」
調理時間:約40分
お店で食べる天ぷらのような、外はサクッ!中はジューシーな天ぷらがお家で簡単に再現できる、初心者でも安心のレシピを料理家のコンドオミユキさんに教えてもらいました。
サクサク天ぷらの材料 (2人前)
- 海老…6尾
- かぼちゃ…中1/6個
- ししとう…4本
- しめじ…1株
- 小麦粉…1カップ
- ビール(発泡酒でも可)…200cc
- 塩…適宜
サクサク天ぷらの作り方
1.海老の下ごしらえをする
海老の殻をむいて背わたを取り、切り込みを入れたら、水分を拭き取り塩こしょうをする。
海老の下処理のポイント:
揚げた時に海老が反るのを防ぐため、腹の部分に3箇所ほど切れ目を入れてスジを切り、海老を背中に向かって反らすように動かし均等に伸ばします。
2.しめじ、かぼちゃ、ししとうの下ごしらえをする
しめじは手で小房に分け、かぼちゃは薄切りに、ししとうはヘタの長い部分だけを包丁で切り、真ん中に切れ目を入れておく。
切り方のポイント:
かぼちゃは、ホクホク感を残しつつ火が通りやすい5mmほどの薄切りに。シシトウは破裂防止のために切り込みを忘れずに。
3.打ち粉をする
すべての食材に打ち粉(小麦粉・分量外)をする
4.衣液を作る
小麦粉にビール(発泡酒)を入れ、菜箸でさっくりと混ぜて、衣液を作る
冷たいビールがポイント:
ボウルとビールはキンキンに冷やしておくと、小麦粉がグルテン化しにくくなり、サクッと仕上がります。
5.具材を衣液にくぐらせ、揚げていく
油を熱し、衣液に具材をサッとくぐらせて静かに鍋に入れて、箸で泳がせるように揚げる。
揚げる時の温度:
ししとうとしめじは低温(150℃〜160℃)で、かぼちゃは中温(170℃前後)、海老は高温(180〜190℃)で揚げます。油の表面に具材が浮いてくるような感触になり、いい色がついたら完成です。
\ カラッと揚がる裏技! /
- 天ぷらを油から取り出す際に、具材の下端を2〜3秒間揚げ油につけると、余分な油が揚げ油に吸収されるように落ち、油切れがよくなります。
天ぷらの基本をマスターしたら、衣のアレンジにも挑戦!手間のかからない「ちょい足し」で、いつもの天ぷらがちょっぴり上級者風に変身します。
\ コンドオさんが紹介してくれた変わり衣 /
「大葉のさわやか衣」
衣アレンジのポイント:
大葉1束(約10枚)を粗みじん切りにして衣液に混ぜれば、風味漂う大葉天ぷらが完成します。1度にたくさんの量を作ることが多い天ぷら。途中で味を変えたい時にオススメのアレンジです。天つゆの代わりに塩でお召し上がりください。
このレシピで使えるコープ商品
キャノーラ油一番搾り&コーン油
揚げ物をカラッとおいしく仕上げます
一番搾りのキャノーラ油(なたね油)にうま味とコクのコーン油(とうもろこし油)をブレンド。揚げ物をカラッとおいしく仕上げます。
> もっと詳しく
無頭えびブラックタイガー〈大〉
水揚げ後の鮮度そのまま、産地一回凍結
生協指定産地のスリランカ産ブラックタイガーえび使用。鮮度の良い状態で、生から加工・凍結しました。
ちょっとしたコツの積み重ねで、驚くほどサクッと仕上がりました。家庭でもすぐに実践できることばかりなので、ぜひお試しください。
( SATETO編集部 寺尾 )
- 料理家 コンドオミユキ
- イートプランナーとして、レシピ制作や食品撮影スタイリング、器のコーディネート等を中心に活動。イラストレーター、美容家としての一面も持ち、「食」と「美」を中心とした「暮らしを楽しむ提案」を発信している。コープ組合員歴16年、「ただの炭酸水」がお気に入り。
素材によってどんな揚げ方がおすすめ? 料理と油はどうやって選ぶ?素材別の最適温度は? 揚げ終わった後の油はどうしたらいい? そんな揚げ物に関する疑問に、料理科のコンドオさんがお答えいただいています。ぜひこちらの記事もご覧になって揚げ物マスターへ近づいてくださいね
揚げ油の再利用、長持ちさせる保存法と使える回数
揚げ物でたくさん使った油、1度だけで処分してしまうのはもったいないですよね。使った油の保存方法や、使える回数、上手な再利用方法についてご紹介します。油が劣化したなと感じた時は速やかに処分することも大切です。
劣化を防ぐための保存の仕方と保存期間
1) 使い終わったら油がまだ温かいうちに網じゃくしなどで、揚げカスを取り除きます。
2) やけどしない程度に油が冷めたら、こし器やコーヒーのペーパーフィルターなどを使ってさらに細かい揚げカスを取り除きます。
3) 揚げカスを取り除いたら、酸化を防ぐためにオイルポットや瓶など密閉できる容器にいれて冷暗所で保存。
4) 1回目の使用から2〜3週間で使い切ってください。
繰り返し使う目安は、2〜4回
野菜を揚げただけの油と、肉や魚を揚げた油では再利用できる回数は異なりますが、汚れや劣化の少ない油なら2〜4回ほどは使用できます。フライやカツ、唐揚げなどは汚れやすくなるので注意が必要。野菜の素揚げや野菜の天ぷらは比較的きれいな状態で油を使えます。料理ごとに使う順番を工夫するといいですね
油の劣化のサインは?
油の劣化の主な原因は、加熱や空気、光や水分による酸化です。状態の良くない油を使うと、胸焼けや吐き気をおこしてしまうことも。油に下記のような変化がでてきたら痛んできた証拠です。潔く処分しましょう。
- □ 使う前よりも色が濃く、褐色になった
- □ ドロドロとして粘り気がある
- □ 嫌な匂いがある
- □ 揚げ物をした時に泡立ちが消えない
- □ 油を熱した時に180℃前後になると煙が出る
「揚げもの」とひとことで言っても、その種類は様々。調理の時だけでなく、お店のメニューやお惣菜を選ぶときにも役立つ、揚げ物の種類と適した食材を料理家のコンドオミユキさんに教えてもらいました。揚げ物が食べたいなと思った時の参考にしてください。
「揚げ物に使う油」によって料理の仕上がりが大きく変わることご存じですか? 油ごとの特徴を知ることで、揚げ物料理が何倍も楽しく、そしておいしくなるはずです。油に適した料理方法と、温度の見分け方、保存方法や再利用できる回数、処理方法までをご紹介します。
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