鍋におでん、シチュー……と、温かい料理が大活躍の季節。いろいろな野菜がとれて、食卓のメインになれるようなスープがあればうれしいですよね。今回は野菜料理が得意な香月夫妻が、野菜そのものの旨味がたっぷり味わえて、お腹も満たされるシチューを教えてくださいました。
▲ 香月夫妻は、福岡県内で飲食店を営むかたわら、お弁当やケータリングを通して野菜中心のお料理を提供されています
シチューの魅力
寒くなってくると食べたくなるのが、身も心もほっこり温まる「シチュー」。ごろごろとカットしたたっぷりの野菜とお肉の旨みが一体となって、まろやかで濃厚な味わいが広がります。冷蔵庫にある野菜をカットしたらあとは煮込むだけという手軽さもうれしい限り。コトコト煮込むことで時間がスープをおいしくしてくれます。生野菜サラダと比較してもたっぷりの野菜も摂ることができて、栄養満点といいことづくし。体も温まって食べやすいので、ちょっと風邪気味かなという時にもおすすめです。
さつまいも と じゃがいも でとろみづけ
「根菜たっぷりの豆乳シチュー」
香月夫妻が教えてくれるのは、ルーは使わずにさつまいもとじゃがいもを大胆に使ってとろみと旨みをひき出した豆乳のシチュー。和風だしに豆乳といったヘルシーな食材をベースに、味噌でコクをプラス。じっくりと蒸し煮にした根菜は、旨みと甘みたっぷりで食べ応えも抜群です。
\ 根菜たっぷりシチューのポイント /
ポイント1)芋のとろみで濃厚な味わい
牛乳・小麦粉・バターは不使用。ホワイトソースは作らずに、今回は、蒸したさつまいもとじゃがいもを使ってとろみを出します。ルーがないことで好みの味わいに仕上げられるのも魅力ですよ。
ポイント2)和風だしとカレー粉でごはんに合う味わい
和風出汁と豆乳がスープのベースですが、味噌やカレー粉を加えているのでご飯のおかずにもぴったりです。また、塩だけでじっくりと野菜を蒸しあげることで野菜そのものの甘みがしっかり出ているので、野菜が苦手な子どもたちも食べやすいですよ。少し時間がかかりますがぜひ作ってみてくださいね。
根菜たっぷりシチューの材料 (約4人分)
- じゃがいも…中2個(約150g)
- さつまいも…小4個(約300g)
- 無調整豆乳…100cc
- ( A )
- 玉ねぎ…小1個(約100g)
- にんじん…1/2(約100g)
- れんこん…1/2節(約100g)
- ごぼう…1/2本(約50g)
- 大根またはかぶ…(約100g)
- えのき…1パック
- ( B )
- だし汁(和風でも洋風でも可)…500cc
- カレー粉…小さじ1
- 白みそ…20g
- 塩…少々
根菜たっぷりシチューの作り方
1.野菜を切る
じゃがいもとさつまいも以外の、( A )の野菜を薄めのいちょう切りにする。
香月さんに教わったポイント:
■ 全体的に同じサイズに
この後の重ね煮で熱が早く回るように、野菜はいちょう切りなど薄めにカットします。また熱が均一に回りやすくするためにも、全体を同じくらいのサイズに揃えましょう。見た目の統一感も生まれます
2.野菜を重ねる
鍋の底に塩(分量外)をひとつまみ回し入れ、その上から切った野菜を1種類ずつ層になるように入れ、水は加えずに、最後に再び塩をひとつまみ回しかける。
甘みを引き出すコツ:
■ 水は一滴も入れない
野菜の水分だけで蒸し煮のような状態にするため、最初と最後に塩を入れます。そうすることで野菜の甘みが引き出され、旨みが凝縮されたスープになります
3.弱火で煮込む
弱火で30分ほど煮込む。
無水調理のコツ:
■ 最初から最後まで弱火で蓋をしたまま
弱い火でじわじわ加熱して旨味を出すため、最初から弱火で煮ます。できるだけ蓋をしたままにして、かき混ぜたりしないようにしましょう
■ 鍋は家庭にあるものならなんでも◎
蓋つきの鍋ならなんでも良いですが、土鍋のように蓋に穴が空いているものは蒸気を逃してしまうのでNGです。水が入っていないので焦げには注意してください
4.いもを蒸す
じゃがいもとさつまいもを洗ったら、水を入れた蒸し器に重ならないように並べて、強火で20分ほど蒸す。竹串で刺してみて中までスッと通れば、蒸しあがりのサイン。
蒸す時のポイント:
■ 小さくカットしても良いですね
ほくほくと甘い仕上がりになるので、皮付きのまま蒸すのがおすすめです。手のひらサイズのおいもなら20分ほどで蒸し上がりますが、あまり時間をかけられない時は一口サイズにカットしても良いですね
■ 蒸し器がない場合はフライパンでも◎
ご家庭に蒸し器がないという方は、深めのフライパンに水を張り、平皿を逆さに置いた上に野菜を乗せた皿を置いて蓋をしても蒸し器の代わりになります
5.いもをつぶす
いもが熱いうちに皮をむき、フォークの背などで粗めにつぶす。
6.いもと調味料を入れて煮込む
重ね煮が終わった3の鍋に、5のいもと(B)のだし汁と調味料を加えて全体を混ぜ、中火にかける。クツクツ煮立ってきたら弱火にし、蓋をして5分ほど煮る。
食感よく仕上げるコツ:
■ あまりかき混ぜすぎないように
粗めに潰したいもの食感を残すため、あまりかき混ぜすぎないようにしましょう
7.豆乳を加える
豆乳を加えて軽くかき混ぜながら弱火で加熱する。
仕上げるときのポイント:
■ ここで塩加減を整える
豆乳を加えて混ぜたあとに塩加減を見て、塩気が足りなければ塩を足します
■ 豆乳は沸騰させると分離するので注意
豆乳は沸騰させると分離してしまうので、最後に加えて弱火で温めるくらいにしましょう
8.完成
このレシピで使えるコープ関連商品
粗めに潰したいものとろりとした食感は、まさにシチューそのもの。いもの甘みに加えて、蒸し煮にした根菜の甘みにもびっくりです。水を加えずに塩だけで蒸し煮にすると、こんなにも甘みが出るのですね。ルーがなくてもシチューが作れるのも頼もしい限り。この冬、わが家でも試してみようと思います。
(文/SATETO編集部 堀尾)
教えてくれたのは
- 香月恵嗣・千代子
- お料理全般は恵嗣さん、お菓子は千代子さん担当。恵嗣さんが福岡県で飲食店を営むかたわら、お二人で野菜や大豆食品を中心とした料理を、ケータリングやお弁当などで提供されています。一男一女との4人家族。
ホワイト系のスープレシピ
コクと旨みたっぷり!ホッとする味わいで人気なのが、豆乳や牛乳を使ったスープです。今回の根菜シチュー以外にもぜひ作っていただきたい「ホワイト系スープ」のレシピをご紹介します。サッと作れるものもあるので、献立の一品にぜひ加えてみてください。
冬はホットでたのしんでも
サッと作れる豆乳スープ
忙しい朝におすすめ!豆乳にぽん酢と塩を加えて混ぜるだけです。ポン酢の酸味で、豆乳がとろりとした食感に変化して、まるでポタージュスープのよう。豆乳独特の豆臭さも消えて、豆乳が苦手な方でも飲みやすいです。冷蔵庫にある野菜を加えるとボリュームアップしてキチンと感のある一品にもなりますよ。冬は温めてホットにしてもおいしくいただけます。
お米のとろみでほっこり
たっぷりかぶのポタージュスープ
旬の野菜、かぶを丸ごと使ったポタージュスープ。煮たり炒めたり、もちろん生でもおいしいかぶは、とろんとあったかいポタージュスープにもおすすめです。とろみ付けに使うのは、小麦粉ではなくお米。一緒に煮込むだけなのでとっても簡単です。小麦粉よりもやや優しい甘みを感じてほっこりといただけます。
切干大根の戻し汁が、だし代わり
切干大根ときのこのミルクスープ
たっぷりのきのこと切干大根を使った、味わい深いクリームスープ。サラダチキンを入れることで、火を通す時間を短縮できるのはもちろん、醤油や塩などを使わずに、コク旨スープが完成します。切干大根の栄養も逃がすことなくいただけるのもうれしいですね。
変わり種味噌汁で食卓に変化を
トマトとツナの豆乳味噌スープ
旨み成分がたっぷりのトマトと豆乳を思い切って味噌汁にプラス。トマトに合わせてツナやチーズ、フライドオニオンなどを加えて洋風仕立てにしてみました。和食洋食、どちらにも合わせやすいさっぱりとした味わいで、彩り豊かな見た目が食欲をそそります。
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