和食の基本となる「だし汁」。市販の顆粒だしやパックを使うと手軽ですが、かつお節と昆布でイチから作るだしは驚くほどに香りがよく味もおいしい!
今回は基本的なだし汁の作り方と、便利なストック方法をご紹介します。
▲ 教えてくれたのは、料理家の松竹智子さん。 旬の野菜を中心に、日々の食卓に取り入れやすいレシピを提案されています。
優しい風味に癒される
基本の「合わせだし汁」
みそ汁や卵焼きなどの料理のベースとなるだし。だしが加わるだけで、料理に旨味や奥深さが出て素材の風味を引き立ててくれます。今回は、上品な旨みと香り、キラキラ光る琥珀色が特長の一番だしの作り方をおしえていただきます。だし汁は煮物や味噌汁、茶碗蒸しなどの和食はもちろん、スープなどの洋食にも活用できるマルチプレーヤーです。
\ 松竹智子さんからのひとこと /
だし汁にはかつお節だし、昆布だし、野菜だし、いりこだしなどさまざまな種類があります。どのだし汁も和食に活用できますが、そんな中でも重宝するのが、今回ご紹介する昆布とかつお節を合わせた「合わせだし」です。和食で一般的に使われるだしで、風味が豊かになる上に、複数の旨みが合わさることで味に奥行きが出ます。
「合わせだし」の材料
- 水 …1リットル
- 昆布…10g
- かつお節…10g
「合わせだし」の作り方
1.昆布を水に浸けておく
鍋に水と乾燥昆布を入れ、30分以上浸けておく。
■ カチカチだった昆布が水を含んで柔らかく大きく広がればOK
2.鍋を火にかける
中火(弱火よりも少し強いくらいの火力)にかけ、10分ほどかけてじっくり加熱し、沸騰直前に昆布を取り出す。
■ 強火で沸騰させないように注意
中火でゆっくり熱することで昆布の旨みを引き出すため、沸騰させないように気をつけましょう。強火で煮出すと、昆布のぬめりが出てしまうので注意。
■ 昆布の味が出ているか味見を
昆布を取り出す前に、一度味見をして昆布の旨みがしっかり抽出されているか確認しましょう。
3.沸騰させる
昆布を取り出した後の昆布だしを沸騰させて温度を上げる。
4.かつお節を入れる
沸騰したら火を止め、かつお節を入れる。再び鍋を中火〜強火にかけて再沸騰するまで待ち、沸騰したらすぐに火を弱める。アクが出るようであれば取りながら、3〜4分ほどじっくりと弱火で煮出す。
5.かつお節を漉す
ボウルの上にザルを置き、さらしや厚手のクッキングペーパーをのせて漉す。
■ さらしが便利
だしを漉すときは、熱に強く幅も広いさらしを使うのが一番便利。キッチンペーパーを使う場合は破れたりずれたりしてきれいに漉せない場合があるので、キッチンペーパーの上にもうひとつザルを置いて、ザルとザルの間に挟むようにすると漉しやすいです。
\ 色々使えてエコで便利なさらし /
合わせだし汁の完成!
\ マイだしをストック!楽チン保存方法 /
だし汁を多めに作って麦茶を入れるようなボトルやポットに入れておけば、忙しい時や少量だけ使いたい時に便利です。保存期間は冬場で4〜5日、夏場で3〜4日を目安に、冷蔵庫でストックしてください。
「料理は時短」が合言葉の私。これまでだしは顆粒だしや液体だしに頼りっぱなしだったので、だしをイチから作るなんて大変すぎて無理と決めつけていました。今回のレシピを知って、「時間がある時に作ってストックしておけばいいんだ!」と目からウロコ。手作りのだしで、まずは味噌汁を作りたいと思います。
(SATETO編集部 佐藤)
教えてくれたのは
- 松竹智子
- 料理家。福岡市内で料理教室や食のイベントをおこなう「深草」を主宰。フードスタイリストとして、食品関係企業のレシピ提案やスタイリングなども数多くおこなっています。
合わせだしで作りたいレシピ
合わせだしを取ったら、さっそくいろいろなお料理につかってみましょう。一番出しの香りと旨みをたっぷり生かせるレシピをご紹介します。
お正月料理の定番「数の子」に挑戦!
塩抜きの方法と味付けレシピ
「数の子」はおせち料理の定番の一つ。市販の数の子を購入する方も多いと思いますが、自宅で作れば好みの塩梅で味付けにすることができ、一口噛むごとに上品なだしの風味が広がります。作業自体は簡単なので、ちょっとのひと手間と時間をかけて、コリコリの食感と程よい塩味の数の子に仕上げましょう。
だしと素材の旨みの相乗効果!
「ごぼうとベーコンのとろみそ汁」
オリーブオイルでベーコンと野菜を炒めて旨みとコクをしっかりと引き出した変わり種のお味噌汁。乾燥ごぼうを戻さずそのまま使うことで、ごぼうの風味がいいお出汁になっているのもポイントです。ぽとんと落としたとろろの、つるんとした喉越しがさらに食欲をそそります。
お弁当にも、おつまみにも、おやつにもぴったり
「こうや豆腐の唐揚げ」
だしを含ませたこうや豆腐に片栗粉をまぶして揚げるだけ。揚げながらつまみ食いをしていると、手が止まらなくなるほど、我が家では大人も子どもも大好きなメニューです。ヘルシーに食べられるのもうれしいポイント。
味付けは5:1:1:1で覚えよう!
煮物上手の黄金比と煮物レシピのコツ
おいしいだし汁を作れたら次は煮物作りに挑戦! 色んな食材に応用可能な煮物の味付けの「黄金比」と、黄金比を使った煮物レシピや、おいしい煮物を作るコツをご紹介しています。これを読めば、煮物上手になれること間違いなし!
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