体も心も温かくなる煮物は、寒い時期の食卓に欠かせないメニューです。しかし、だしをとったり調味料の分量を毎回調べたりするのが億劫で、敬遠しがちですよね。そんなとき、色んな食材に応用可能な味付けの「黄金比」さえ覚えておけば、調理が楽になるはず…!ということで、煮物作りのコツを教わりに、料理家の宮崎さんのもとへと行って来ました。
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大手料理教室で全国各地を転勤しながら13年勤務。福岡へ転勤後、第一子出産を機に自宅教室を開始。料理とパンが同時に学べる1回完結レッスンや、親子で一緒に料理が楽しめる親子レッスンなどを開催中です。
煮物にあまり挑戦したことがないという方にぜひ覚えて欲しいのが、調味料の「黄金比」。基本の配合さえマスターしておけば、あとは自分好みに味を調整するだけなので、すごく気が楽になりますよ。とっても簡単なので、さっそく日々の食卓に煮物を取り入れてみてくださいね。
だしをベースに材料を煮て、塩、酒、醤油、砂糖、みりん等で味付けをした料理のこと。味付けの方法や、煮る時間によって、呼び名が変わります。
煮込み
多めのだしに調味料を加え、長時間弱火で煮込んだもの。じっくりと時間をかけて煮込んで味を染み込ませ、お肉は柔らかく、お野菜は甘みたっぷりに仕上げます。
肉じゃが、筑前煮、根菜やこんにゃくの煮物など
煮付け
食材がかぶるくらの少ない煮汁と強めの火力でサッと煮て、食材の表面にだけ味を絡ませたもの。煮崩れしやすい魚などの調理に適しています。
煮魚、かぼちゃや根菜の煮付けなど
煮びたし
食材がかぶるくらいのだしでサッと煮た後、冷ますことで味を染み込ませます。あっさりとした味わいが特徴です。
なす、小松菜・フキの煮浸しなど
レシピをみていて意外と頭を悩ませるのが、水加減の表現。「ひたひた」と「かぶるぐらい」の違いって?どんな料理に向いているの?気になる疑問を宮崎先生にお答えいただきました。
ひたひた
鍋に平たく入れた材料が、水から出るか出ないか、または少し出ているぐらいの水の量。食材が鍋の中で踊らず、煮くずれしにくい。
かぶるくらい
「ひたひた」より少し多め。材料全体が水から顔を出さず、すっぽり浸っている水の量。いも類を皮付きでゆでる時や大根の下ゆでなど、長めの加熱が必要な食材向け。
たっぷり
材料全体がしっかりと水の中に浸り、さらに充分に水が入った量のこと。青菜やパスタを茹でる時、おでんやシチューなどに適しています。
どんな食材を使った煮物でも、この黄金比をベースに作ればおいしく仕上がります。手軽に作れるようあえてだし汁を使わず水から作りますが、だしの代わりになるような旨みを含んだ食材を入れて味に深みを出すのがポイントです。
煮物作りはちょっとしたコツでもっとおいしくできあがります。黄金比と一緒に覚えておきたい、煮物上手のコツを料理家の宮崎さんから教えてもらいました。
下ゆでをする
大根のような火が通りにくい食材は、下ゆでしてやわらかくすること
で、味がぐんと染み込みやすくなります。また独特の苦味やアクが取
り除かれて、透明感のあるつやつやな見た目になるというメリット
も。しっかり味を染み込ませたい煮物やおでんを作る時には下ゆでし
ておきましょう。
しっかり煮立てる
「煮立てる」とは、中火〜強火にかけて、上面が泡立つ程度にグラグ
ラと沸騰させること。1度しっかり煮立てることで、酒やみりんのア
ルコール分が飛び、味が均一になります。アルコールの香りが飛ぶこ
とで旨味が強くなり、味も良くなっていいことづくしです。
落とし蓋をする
落とし蓋をして煮込むことで、少ない煮汁でも材料全体にまわり、
形を崩さずに仕上がります。味が均等に染み込みやすくする効果もあ
ります。また、蒸発を防ぐことで焦げる心配も減りますよ。
鍋止めをする
煮上がったら火を止めてしばらくそのままにしておき、冷ましながら
味を染み込ませます。意外と忘れがちですが、できあがったらすぐに
食べずに少し置いておきましょう。時間がおいしくしてくれます。
煮物作りはちょっとしたコツでもっとおいしくできあがります。黄金比と一緒に覚えておきたい、煮物上手のコツを料理家の宮崎さんから教えてもらいました。
下ゆでをする
大根のような火が通りにくい食材は、下ゆでしてやわらかくすることで、味がぐんと染み込みやすくなります。また独特の苦味やアクが取り除かれて、透明感のあるつやつやな見た目になるというメリットも。しっかり味を染み込ませたい煮物やおでんを作る時には下ゆでしておきましょう。
しっかり煮立てる
「煮立てる」とは、中火〜強火にかけて、上面が泡立つ程度にグラグラと沸騰させること。1度しっかり煮立てることで、酒やみりんのアルコール分が飛び、味が均一になります。アルコールの香りが飛ぶことで旨味が強くなり、味も良くなっていいことづくしです。
落とし蓋をする
落とし蓋をして煮込むことで、少ない煮汁でも材料全体にまわり、形を崩さずに仕上がります。味が均等に染み込みやすくする効果もあります。また、蒸発を防ぐことで焦げる心配も減りますよ。
鍋止めをする
煮上がったら火を止めてしばらくそのままにしておき、冷ましながら味を染み込ませます。意外と忘れがちですが、できあがったらすぐに食べずに少し置いておきましょう。時間がおいしくしてくれます。
煮物のコツを頭に入れたら、さっそく黄金比のレシピに挑戦してみましょう。今回は、「煮込み」「煮付け」「煮びたし」の3種の代表的な煮物のレシピをご紹介します。だしになる素材と一緒に使うことで、だし汁をわざわざ作らなくても旨味たっぷりに仕上がります。
鶏の手羽先は、手頃な価格で手に入る上にいいだしが出るので、シンプルな味付けでも美味しく仕上がります。今回は大根を合わせましたが、にんじんやごぼう、こんにゃくなど、いろいろ入れて、筑前煮(がめ煮)のように仕上げるのもおすすめです。
白身魚が手に入ったら、たまには煮付けにしてみるのはいかがでしょうか。魚からも旨みが出ますが、しいたけやごぼうなど、だしの代わりになる食材を一緒に煮込むだけでびっくりするほどのコクがプラスされます。ここでは、骨が少なく子どもでも食べやすい、からすかれいを使ったレシピを紹介します。
“煮る”というよりは、だし汁の中でサッと“煮立たせ”ることで、さっぱりとした味わいに仕上げる煮びたし。今回は、手軽に旨みを引き出せる「昆布だし」を使いました。昆布は具材としても使用して、食感まで楽しめる風味豊かな1品です。
全て同じ調味料・比率で作ったにも関わらず、それぞれ食材の旨みがプラスされるのでまったく別の美味しさに仕上がります。ぜひ、好みの食材に変えながら煮物料理を楽しんでみてくださいね。
煮物を作る時はいつも意気込んで、何時間も前からごはんの準備に取り掛かっていました。今回の撮影で、宮崎さんが短時間で3品をパパッと調理しているのを見て「こんなに簡単だったんだ!」と目からうろこ。これから、我が家の食卓に、煮物が登場する機会が増えそうです。
(SATETO編集部 寺尾)
もっと煮物上手に!おすすめ煮物レシピ
和食の定番「基本の肉じゃが」
しっかりと味が染みた肉じゃがは、簡単なようでとても奥が深い煮物料理。煮崩れせずにホクホクのじゃがいもに仕上げるには、面取りやアク抜きなど下準備をしっかりと行います。調味料を入れる順番や、ふりしょうゆ、鍋止めなど、実はコツがたくさん!基本の肉じゃがレシピをぜひマスターしましょう。
肉味噌でいただく「基本のふろふき大根」
大根の下茹ではせずに、昆布と生米を入れた鍋でただただ煮込むだけ。じっくり煮込んだら、じゅわっととろけるふろふき大根のできあがりです。とろみたっぷりの濃いめの肉味噌をかければ、小料理屋さんのような逸品に仕上がります。
洋風煮込みにも挑戦!「春野菜のラタトゥユ」
野菜たちの力を借りて、鍋の中でじっくりと火を通すラタトゥイユ。にんにくや生姜などの香味野菜を使い、味付けは塩のみと至ってシンプル。ですが、いろいろな野菜の旨みが相まって滋味深い味わいが楽しめます。