吸水性が良く乾きが速いため、手ぬぐいや浴衣などに使われ、炊事や掃除にも使い回せることから、昔は嫁入り道具のひとつでもあった「和晒布(わざらしぬの)」。現在は、キッチンペーパーやラップ、クッキングペーパーが使われるようになり、なかなか見かけなくなりましたが、SDGsが叫ばれている今、和晒布がまた見直されています。ひとつで何役もこなし、一度で使い捨てにせず最後まで繰り返し使いこなす。一度使ってみると、その使い勝手のよさのとりこになるはずです。
「和晒布(わざらしぬの)」ってどんなもの?
和晒(わざらし)とは、製品の名称ではなく、綿布の紡績、和晒釜と呼ばれる釜で生地にストレスをかけないように煮たり、水洗いをしたりして天然の綿花の持つ脂質や不純物、色素成分を取り除く工程のことを指します。 その工程を経て完成するのが和晒布です。細い糸を高密度で平織りした生地が使われているので、へたれにくい上に通気性抜群、熱にも強いため、さまざまな用途に使うことができます。
コープがおすすめする活用術!
コープ九州の上田さんに教えていただきました!
昔は台所仕事に欠かせなかった和晒布(わざらしぬの)。現代のライフスタイルに合わせて、使いやすいロールタイプになっているものが主流になっています。拭く、こす、蒸すなど、さまざまな用途で使うことができるだけでなく、洗って繰り返し使えることから、生活にも取り入れやすいんですよ。
昔は台所仕事に欠かせなかった和晒布(わざらしぬの)。現代のライフスタイルに合わせて、使いやすいロールタイプになっているものが主流になっています。拭く、こす、蒸すなど、さまざまな用途で使うことができるだけでなく、洗って繰り返し使えることから、生活にも取り入れやすいんですよ。
まずは料理に使いましょう!
《その1》きる
洗った葉物の水気の拭き取りや、茹でた野菜の水切りに大活躍。熱いうちに素早く水が切れるので、おひたしや和物がおいしく仕上がります。もちろん豆腐やヨーグルトの水切りにも◎。赤ちゃんにも安心してお使いいただける素材なので離乳食作りにも使うことができます。
《その2》こす
和晒布は熱に強いため、出汁をこすことができます。ギュッと力を入れて絞ってもキッチンペーパーのようにやぶれる心配もありません。そのほか、コーヒーフィルターの代わりとしても使うことができます。
《その3》蒸す
蒸し布代わりに使うのはもちろん、濡らして絞った和晒布で野菜を包みレンジでチンするだけで、簡単に温野菜が完成します。
《番外編》ラップの代わりとしても
・おにぎりづくりに
熱が伝わりにくい和晒布は、おにぎりを握るときにも大活躍。あらかじめ濡らしておけば、炊きたてごはんでも手早く握ることができます。
・冷凍ごはんに
水で濡らした絞った和晒布にごはんを包んで冷凍すれば、レンジで温め直すときもごはんがベチャッとならず、蒸されたようにふんわりと仕上がります。
・野菜の保存に
ほうれん草やレタスなどといった葉物野菜の保存にも、和晒布は活躍してくれます。野菜を洗い、水で濡らして絞った和晒布に包んで保存すると、みずみずしさを保つことができます。
くたびれてきたら、布巾などとして活用
台拭きや食器拭き、手拭きとして使います。薄いので、タオルなどのようにかさばらずに保管することができますし、乾くのが早いので、毎日洗濯して気持ちよく使うことができます。
最後は、油拭きやお掃除用のぞうきんとして
最後は、ぞうきんとして油拭きにしたり掃除に活用するのがおすすめです。目が細かいので、皮脂汚れや食べものの汚れもよく落ちます。
和晒布(わざらしぬの)のお手入れ方法
使うたびに台所用中性洗剤や石鹸で手洗いするのが基本ですが、何度か使った和晒布は雑菌が繁殖しやすくなるため、定期的に煮沸消毒を行いましょう。
汚れが落ちにくくなってきたら、洗濯機で洗っても大丈夫です。
《煮沸消毒の手順》
① 和晒布をよく洗って汚れを落とします。
② 沸騰したお湯に和晒布を入れます。お箸などでかき混ぜながら数分間煮沸消毒します。
③ 水ですすいでしっかり絞って干します。
コープのカタログで購入できる和晒布(わざらしぬの)
和晒布(わざらしぬの)ロール 5m巻き
◎和晒布(わざらしぬの)ロールのいいところ
✓和晒布が1本のロール状になっているので使いたいときに好きなサイズにハサミでカットして使うことができます。
✓「岡生地」と呼ばれる高密度に織られた生地を、昔ながらの製法で仕上げられていて、厚手でなめらかな手ざわりが特徴的です
和晒布(わざらしぬの)を使うことが、
日本の伝統産業の活性化につながります
「和晒布(わざらしぬの)ロール」は、和歌山・大阪泉州に工場を構える川口織布株式会社によってつくられています。
数百年余り続く織物産地として知られている泉州地域ですが、輸入品との価格競争や新型コロナウイルスの影響を受け、最盛期は300台の織機が、現在は1/5の60台ほどにまで減少。その数の織機を維持するのさえも難しい状況となっています。
糸の状態を見ながら、細部まで調整を重ねます。繊維にストレスをかけないようにしながら加工することは、骨が折れる作業です。それでも川口織布株式会社は、国産の天然素材の安心と、心地よさを提供したいとの思いから、手間を惜しまず昔ながらの織機で大切につくっています。それはまさに職人技。
和晒布を使うことで、この職人技を後世へと残していく、日本の伝統産業の持続的な活性化支援ができるのです。
「ゴミを減らしたいな」という気持ちはあるものの、ラップやキッチンペーパーなどの生活必需品を使わないわけにはいかず、もんもんとした気持ちを抱えていたときに、出会ったのが和晒布でした。結果、地球に優しいというだけでなく、家計にもやさしくいいことづくし!一度暮らしに取り入れてみてください。もう手放せなくなるはずです!
(SATETO編集部 寺尾)
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