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  • 味付けの基本「料理のさしすせそ」とは? 調味料を入れる順番と役割

料理家の宮崎知花さんに教わる 基本の味付け 料理家の宮崎知花さんに教わる 基本の味付け

料理のきほん 「さしすせそ」って?

料理の味付けでよく耳にする「さしすせそ」の意味を知っていますか?これは、煮物などの和食を作る時の調味料を入れる順番の略称。「さ」は砂糖、「し」は塩、「す」は酢、「せ」は醤油(旧仮名遣いで ‘せうゆ’)、「そ」は味噌を指し、その順番で味付けすると、よりおいしく仕上がると言われています。

どうしてその順番に入れるといいのでしょうか?今回は「さしすせそ」の仕組みについて、料理家の宮崎さんに教えてもらいました。

▲ 宮崎さんがご自宅で開催されている料理教室は、料理初心者の方から、小さなお子さんを連れたお母さん、80代のベテラン主婦まで幅広い年代の生徒さんが通われています。 

料理家の宮崎知花さんに教わる「さしすせそ」のQ&A料理家の宮崎知花さんに教わる「さしすせそ」のQ&A

さ:砂糖 さ:砂糖

砂糖の役割

  • ・甘みをつける
  • ・料理の旨味を増し、コクを出す
  • ・料理に香りをつける
  • ・食材をやわらかくする
  • ・食材の臭みを消す

Q. 砂糖をはじめに入れるのはなぜ?

A. 砂糖は分子構造が大きいので、素材に浸透するまで時間がかかります。そのため、煮物などでは砂糖を最初に入れて味をしみこませます。

\ 砂糖でお肉やわらか /

砂糖を使って「やわらかお肉の唐揚げ」が完成!
唐揚げの下味に砂糖をひとつまみプラスしておくだけで、お肉がやわらかく仕上がりますよ。ぜひ試してみてください。

し:塩 し:塩

塩の役割

  • ・料理の味をひきしめ、塩味をつける
  • ・料理の酸味をやわらげる
  • ・殺菌、防腐、臭み消し
  • ・食材をやわらかくする
  • ・ぬめりやアク、水分を除く(食材の下処理)

Q. なぜ塩が砂糖の次になるの?

A. 塩には水分を出して素材を引き締める役割があります。そのため、砂糖がしっかり素材に浸透し、十分に柔らかくなってから加えないと素材が硬くなってしまうのです。

\ 塩で時短!飴色たまねぎ /

塩を使えば「しんなり玉ねぎ炒め」が時短で完成!
玉ねぎを炒める時に塩をひとつまみ入れると余分な水分が出てくるので、うま味を凝縮&炒める時間の短縮にひと役買います。飴色玉ねぎを素早く作りたい時に助かりますよ。その時は、仕上げの味付けに使う「塩」を控えめにするのを忘れないようにしてくださいね。

す:酢 す:酢

酢の役割

  • ・料理に酸味や風味をつける
  • ・料理の塩味を和らげる
  • ・タンパク質を固める
  • ・変色防止、漂白(食材の下処理)

Q. 酢を3番目に入れるのはなぜ?

A. 素材に味が浸透するのを妨害してしまうため、塩よりも後の順番になっています。酸味を生かしたい料理の場合は火からおろす直前に加えます。

\ お酢でおいしい裏技 /

お酢を使って半熟とろりの「ポーチドエッグ」
ポーチドエッグを作るときのお湯にお酢を入れると、白身のたんぱく質が素早く固まります。「白身はしっかり黄身が とろーり」のポーチドエッグが作れますよ。ドライカレーや焼きそばのトッピングはもちろん、朝食のパンやサラダにのせてもいいですね。

お酢でポーチドエッグのコツも動画で紹介中↓

せ:醤油 せ:醤油

醤油の役割

  • ・塩味や旨味、甘味、味に深みを与える
  • ・料理の色付けや香り付け
  • ・食材の臭みを抑える
  • ・食材の保存性を高める

Q. 醤油を後半にいれるのはなぜ?

A. 香りを生かすために、仕上げの直前に使うのがコツ。高温で煮詰めると焦げ付いて風味を損なうので注意しましょう。味をよく染み込ませたい場合は、先に半量加えて仕上げに残りを加える手法もあります。

\ 地域によっていろいろ醤油の味わい /

メーカーや地域によって一番風味の違いが強く出るのが「醤油」。メーカーが変わると同じ小さじ1杯でも大きく味が変わってしまい「あれ?味が濃いな」ということもしばしば。いつもと違うお醤油を使う時は、味をみながら少しずつ加えていくのがおすすめです。

そ:味噌 そ:味噌

味噌の役割

  • ・塩味とうま味、香りをつける
  • ・材料の臭みを消す
  • ・味にコクを出す
  • ・味全体をまろやかに整える
  • ・食材の保存性を高める

Q. 味噌を最後に加えるのはなぜ?

A. みそはグツグツ煮立てると香りや風味が損なわれてしまいます。仕上げに加え、ひと煮立ちしたらすぐに火を止めましょう。

\ 味噌は冷凍保存がおすすめ /

「意外と出番がなくて、気付いたら賞味期限が切れていた」ということは ありませんか?味噌は、密封袋などに入れて冷凍保存するのがオススメです。発酵を抑えて菌の繁殖も防げるので、1年以上の保存が可能です。味噌玉にして冷凍しておくと便利ですね。

味噌玉レシピ公開中↓

お酒・みりん お酒・みりん

酒の役割

  • ・料理に香りをつける
  • ・料理の旨味を増し、コクを出す
  • ・食材の臭みを消す
  • ・味の浸透をよくする

みりんの役割

  • ・甘みをつける
  • ・旨味を増し、コクを出す
  • ・料理に照りやツヤを出す
  • ・食材の臭みを消す

Q. さしすせそ にない「お酒」や「みりん」はどのタイミング?

A. アルコールは、肉や魚の臭み消しと食材の味付けを促進させます。
料理酒、本みりんなどの酒類を入れる場合は砂糖よりも早い段階で入れます。「さみ+さしすせそ」と覚えておくと便利です。
※「みりん風調味料」は酒ではないので味噌や醤油より後に入れます。



■ 用途によって順番が変わることもあります

料理の「さしすせそ」は一般的な味付けの考え方です。臭みを消したり味の調整をしたりするなど、特定の理由によって加える順番が変わることもあるので注意しましょう。

■ 調味料は足し算しかできません!

料理は足し算の連続で引き算ができません。きちんと計量して、少しずつ足し算をして味付けをしましょう。また、煮物などは、冷めていく時に味が染み込むので、少し薄めの味付けにしておき、火を止めて時間を置くことも大切です。

アドバイザー/
料理教室「スマイルスマイズ」主宰 宮崎知花さん

大手料理教室で全国各地を転勤しながら13年勤務。福岡へ転勤後、第一子出産を機に自宅教室を開始。料理とパンが同時に学べる1回完結レッスンや、親子で一緒に料理が楽しめる親子レッスンなどを開催中です。

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