おいしい牛肉料理には良い素材選びが欠かせません。お肉の見分け方や、選ぶときのポイントをはじめ、美味しく保存するためのコツを、全農ミートフーズ株式会社の辻本さんにお聞きしました。
\ 教えてくれたのは /
JA全農ミートフーズ株式会社
九州支社 辻本さん
A. 餌の量が多く、育てる期間も長いからです。
生まれてからお肉になるまでの期間が豚肉や鶏肉と比べると長く、必要な飼料の量も多いことが、店頭の価格に反映されています。牛肉の生産者減少やそれにともなう出荷頭数の落ち込み、また飼料の高騰なども、牛肉の相場価格が上昇している要因のひとつとなっています。
A. 切り落としや脂肪分をつなぎ合わせてカットしていています。
「成型加工肉」とは、切り落としや脂肪分を結着してカットしたもの(※)。純粋なお肉のかたまりではありませんが、手軽に購入しやすく、調理にも便利で口当たりも柔らかです。加工の過程で卵や乳製品などが使用されている場合もありますので、アレルギーの方は注意して選びましょう。
※コープ九州基準
A. どちらも加工過程で出た不揃いのお肉で、
炒め物などに向いています。
一般的に、「こま切れ」も「切り落とし」も加工過程で出た、厚さや大きさが異なるお肉をスライスしたものです。定義は店によって異なる場合がありますが、こま切れはさまざまな部位を含むケースが多いのに比べ、切り落としは特定の部位だけで作られることが多いです。形は不揃いでも味は変わらず比較的安く手に入るので、どちらも炒め物や煮込み料理などの日常使いに向いています。
A. 空気に触れさせないのが鉄則です。
2〜3日以内に食べる場合は冷蔵庫、それ以上の場合は冷凍庫へ。空気に触れさせないほどおいしく保存できるので、パックから取り出したらキッチンペーパーなどで水気を拭き取り、ラップでぴったりと包みます。さらにジップ付きの袋などに入れると乾燥も防げて良いでしょう。
A. 冷蔵庫でゆっくり解凍しましょう。
調理する半日ほど前から、冷蔵庫でゆっくり解凍することをおすすめします。急いでいる場合は、お肉に直接水が触れないよう袋に入れるなどして、空気を抜いた状態で氷水につけます。こうした低温解凍は、ドリップ(赤い汁)を出にくくしてくれます。ドリップとは、解凍される過程で肉の細胞内にある水分が溶け出してくるもの。一緒に旨み成分も出てしまうので、なるべく低温で半解凍が良いでしょう。お肉を焼く場合は、焼く20~30分前に冷蔵庫から出して常温に戻しておくことで、焼きムラが抑えられおいしく食べられます。
お肉はとにかく鮮度が命。家に持ち帰ったらすぐに冷蔵庫に入れるなど、ちょっとしたことに気をつけるだけで、お肉のおいしさが保たれますよ。
( 監修・アドバイス/全農ミートフーズ株式会社 九州支社 食材加工品課 辻本典子 )
( SATETO編集部 堀尾 )
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- 3.牛を育てる生産者さんに聞く(1)福岡県「博多和牛」
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