日本のみならず、今や世界中で健康食として愛されている「豆腐」。どこでも手軽に手に入る上、そのまま食べても、煮込んでも、炒めてもおいしく、あらゆる料理に大活躍の人気者です。でも木綿と絹の違いって? にがりって何でできてるの? みなさんは豆腐についてどのくらいご存知でしょうか? 今回は、知っているようで知らない豆腐についての素朴な疑問にお答えします!
豆腐はいつどこで生まれたのでしょう? 実はその起源は、謎に包まれていると言われています。わかっていることは、奈良時代に中国から日本に伝わったということ。はじめは僧侶の精進料理として広まり、徐々に一般に浸透していったようです。ただ農民にとっては、特別な日にしか味わえない高級品だったという記録も残されているとか!?
豆腐の原料は、基本的には大豆とにがり(凝固剤)だけ。一晩水にさらした大豆を砕いて煮たら、布を敷いた容器でこして絞ります。このとき絞った液体が豆乳。布に残ったものが「おから」です。豆乳ににがりを混ぜて固めれば、豆腐の完成。とてもシンプルな工程ですが、豆乳とにがりを混ぜるとすぐに固まり始めるため、まんべんなく固めるのは意外と難しく、温度や混ぜ方がカギとなります。市場では、効率よく、たくさんの量を作る必要があるため、その細かい種類や作り方はメーカーごとに異なりますが、豆腐ができあがるまでの仕組みは基本的には同じです。材料と作り方さえ覚えれば、自宅でも豆腐が作れるかも!?
海水から食塩を結晶させたあとに残る液体がにがりです。とても苦みがあることから「にがり」と名付けられました。主成分は塩化マグネシウム。豆腐の原材料に「塩化マグネシウム」と記載されているものは、実はにがりのことなんですよ。
[木綿豆腐]
豆乳ににがりを加え、一度固めたものをくずしてからさらにしぼり、再び固めたもの。
しっかりとした食感と濃厚な豆腐の味わいが特徴です。
[絹ごし豆腐]
木綿豆腐よりも濃い豆腐ににがりを加え、型に入れてそのまま固めたものです。
水分が多く、きめ細かく滑らかな食感が特徴です。
ちなみに、この両方の間に位置する「ソフト豆腐」は、西日本を中心に食べられているそうで、関東の方では馴染みがないとか?
パックの中に水や空気が入ってない豆腐を充填豆腐といいます。水が入って売られている豆腐(カット豆腐)と比べると、見た目だけではなく作り方に大きな違いがあります。カット豆腐は型箱で固めた後に水にさらしてカットするのに対し、充填豆腐は、冷たい豆乳ににがりを加え、パックに充填してから、加熱して固めます。あらかじめ密封した状態で加熱処理を行うので、殺菌・消毒されていて保存が効くのが大きな特徴です。3個パックや4個パックなど使い切りのサイズで売られていることが多いので、冷奴やお味噌汁、ちょっとしたサラダなどに役立つほか、離乳食などにもおすすめです。その食感は絹ごしや木綿と比べてツルッとして、歯でかまなくても口の中で潰れるほどのやわらかさ。近年は比較的固めの食感のものも販売されています。
乾物としてとっても便利なこうや豆腐。実は家庭でも作れるということをご存知でしょうか? 木綿豆腐を一度凍らせて解凍させると、中がスポンジ状になるので、手でやさしくしぼったり、重しをのせて水切りすれば、こうや豆腐として含め煮はもちろん、唐揚げなどにも便利です。市販のものとはもちろん味や食感は異なりますが、木綿豆腐を買って来たらそのまま冷凍庫にインして、使いたい時に取り出して使ってみては!?
豆腐を献立に使うとき、木綿?絹ごし?どっちを使えばいいか迷ったご経験はありませんか? そんなときに基準にしたいのは、豆腐の食感。木綿豆腐は、しっかりとした食感と舌触りが特徴。水分量も少ないので、ステーキにしたりハンバーグに混ぜたりと、加熱する料理に向いています。一方の絹ごし豆腐は、きめが細かくなめらか。生のまま冷奴として、またサラダに乗せてもよく合います。鍋などに入れるのもおすすめです。
こんな食べ方もあったんだ!
豆腐のアレンジレシピ5選
副菜から主菜まで、ふだんの食卓には何かと欠かすことのない豆腐。今回は、SATETOがこれまでご紹介してきた豆腐アレンジレシピをまとめてご紹介します。メインから副菜、おつまみ、そしてスイーツまで、気分やシーンに応じて使い分けてみてください。
あさりのだしが効いたあんかけが、豆腐ステーキによく絡んで、ごはんもすすむひと皿です。あさりを鶏ひき肉に変えたり、野菜をプラスしてみたりと、お好みでアレンジが効きやすいのもうれしいです。食感がしっかりしてくずれにくい木綿豆腐がおすすめ。
メインの食材はなんと豆腐とえのきのみ。そこに、にんにく、生姜、ねぎがたっぷり入った、風味豊かなトロトロ鍋です。あたたまる上にツルリと食べやすく、風邪気味の時などにも試してほしい、寒い季節にぴったりのレシピです。
水切りした豆腐をオリーブオイルに漬け込むだけで完成するという、なんとも手軽すぎるレシピです。見た目も食感もチーズそのもので、サラダのトッピングにしたり、マリネと和えたり、もちろんおつまみとしても◎。残ったオリーブオイルはパスタや炒め物に再利用できるので、無駄なく使い切ることができます。
豆腐を生地に練り込んで作るドーナツです。牛乳や卵は使わず豆腐の水分だけで作るので、しっとりもちもちながらも、味わいはあっさり。生地づくりを袋ひとつで済ませてしまえば、後片付けが楽チンなのも嬉しいポイントです。
絹ごし豆腐を寒天でかためたシンプルなデザートです。レモン汁とメープルシロップの爽やかな甘酸っぱさが、プルプルの寒天ゼリーに絡んでツルリと食べられてしまいます。崩したり混ぜたりと、子どもも楽しめる工程がたくさんなので、休みの日に親子で試してほしいレシピです。