今年は重箱いらずの、気軽なおせちを楽しみませんか? 市販品を上手に活用しながら盛り付ける「ワンプレートのおせち」を、料理家の松竹智子さんにおしえていただきました。盛り付け上手の松竹さんならではのセンスが光る、簡単&おしゃれなポイントもご紹介。今回は、数の子・伊達巻・かまぼこの飾り切りの作り方を松竹さんに教わりつつ、あとは市販のものを活用。簡単おしゃれなワンプレートおせちの完成です!
▲ 教えてくれたのは、料理家の松竹智子さん。 旬の野菜を中心に、日々の食卓に取り入れやすいレシピを提案されています。
\市販品と手作りで楽しむ、おせち具材/
今回のワンプレートおせちに彩りを添えるのは、『カモ井食品』の「和風おせち基本セット8品」、そして手作りの数の子、伊達巻、かまぼこです。お正月を華やかに彩るこれらのおせち料理には、それぞれに込められた意味や願いがあります。まずは、そのひとつひとつをご紹介しながら、お正月に込められた想いに触れてみましょう。
【ぶりの照り焼き】
成長するにつれて呼び名が変わる出世魚のぶりにあやかり、
出世を祈願してお正月にぶりをいただきます。
成長するにつれて呼び名が変わる出世魚のぶりにあやかり、出世を祈願してお正月にぶりをいただきます。
【たたきごぼう】
ごぼうは長く地中に根を張って成長することから、長寿や家
業の安泰を願います。ごぼうを叩いて身を開く「たたきごぼ
う」には開運の意味も。
ごぼうは長く地中に根を張って成長することから、長寿や家業の安泰を願います。ごぼうを叩いて身を開く「たたきごぼう」には開運の意味も。
【なます】
細切りにした人参と大根が紅白の水引きに似ていることから
、喜びや祝いを象徴する縁起物とされています。
細切りにした人参と大根が紅白の水引きに似ていることから、喜びや祝いを象徴する縁起物とされています。
【海老鬼殻焼き】
脱皮を繰り返して成長する海老は生命の更新を象徴していま
す。腰を曲げた老人にも例えられ、長寿への願いが込められ
ています。
脱皮を繰り返して成長する海老は生命の更新を象徴しています。腰を曲げた老人にも例えられ、長寿への願いが込められています。
【田作り】
田植えの際にカタクチイワシを肥料にしたことが名前の由来
。このことから、豊作への願いが込められるようになりまし
た。
田植えの際にカタクチイワシを肥料にしたことが名前の由来。このことから、豊作への願いが込められるようになりました。
【一口巻昆布】
昆布は「養老昆布(よろこぶ)」の語呂合わせから「喜ぶ」
と掛け、縁起が良い食べ物とされています。また、「子生
(こぶ)」で子孫繁栄も願います。
昆布は「養老昆布(よろこぶ)」の語呂合わせから「喜ぶ」と掛け、縁起が良い食べ物とされています。また、「子生(こぶ)」で子孫繁栄も願います。
【栗きんとん】
漢字にすると「金団(きんとん)」と書き、金色の団子やか
たまりを意味することから金運をもたらす縁起物として昔か
ら重宝されてきました。
漢字にすると「金団(きんとん)」と書き、金色の団子やかたまりを意味することから金運をもたらす縁起物として昔から重宝されてきました。
【丹波黒黒豆】
「まめに働く」「まめに暮らす」という願いが込められ、無
病息災を願います。
「まめに働く」「まめに暮らす」という願いが込められ、無病息災を願います。
【数の子】
数の子はニシンの卵の塩漬け。ニシンは1腹に3万〜10万
個の卵を産むことから、「子宝」や「子孫繁栄」の願いが込
められています。
数の子はニシンの卵の塩漬け。ニシンは1腹に3万〜10万個の卵を産むことから、「子宝」や「子孫繁栄」の願いが込められています。
【伊達巻】
見た目が華やかで、書物のような巻物に似ていることから
「知恵が増える」として学術成就の願いが込められるように
なりました。
見た目が華やかで、書物のような巻物に似ていることから「知恵が増える」として学術成就の願いが込められるようになりました。
【紅白かまぼこ】
紅色の部分に「めでたさ」「魔除け」、白色の部分に「神聖
さ」「清浄」の意味が込められます。半円形が「初日の出」
を連想させる縁起物でもあります。[飾り切りレシピは近日公開]
紅色の部分に「めでたさ」「魔除け」、白色の部分に「神聖さ」「清浄」の意味が込められます。半円形が「初日の出」を連想させる縁起物でもあります。[飾り切りレシピは近日公開]
\おせちに華を添える小物たち/
□ 小鉢や豆皿で立体感をプラス
プレートに料理を並べるだけではのっぺりとして見栄えがしないため、小鉢や豆皿を使って立体感をもたらしましょう。
□ お正月らしい飾りで華やかに
おせちに華を添える飾りには、南天、松葉、ハラン、ゆずなどの縁起物がお正月にぴったり。彩りも良くなり、飾り葉によって盛り付けに動きが生まれます。今回はゆずの身をくり抜いて「ゆずカップ」にアレンジしてみました。
\ワンプレートに盛り付けていきましょう!/
おせち一人分をワンプレートに盛り付けていきます。苦手な食材がある場合は食べやすい食材に変えて、家族ひとりひとりの好みに合わせたおせち盛りができるのもワンプレートのいいところです。
1. 盛りつけのベースをつくる
まず、汁けのある食材や細かい食材は食べやすいように豆皿・小鉢にいれておきます。プレートの中央にハランを置いて、盛り付けのベースを作りましょう。続いて、料理を入れた豆皿や小鉢を奥から円を描くように配置するとスムーズです。この時に隣り合う食材が同じ色にならないようにしましょう。
2. 中心部分にメインの食材を
中央部分に、奥から盛り付けていきます。隣り合う色が同じにならないよう注意しながら、食材にたてかけるように立体的に盛り付けていきます。最後は、ぶりや海老などのメインを配置します。背の高い食材が奥、小さい食材が手前になるように置くのがポイント。最後に飾り物を添えれば、華やかなワンプレートおせちのできあがりです。
\ 完成!/
\ 松竹さんからの盛り付けアドバイス /
プレートにぎゅうぎゅうに詰め込むのではなく、ある程度余白を残すことで上品な盛り付けに仕上がります。同系色の色が隣り合わないよう、色のバランスにも気をつけながら盛り付けてみてください。紅白なますはゆずカップに入れることで見栄えが良くなるだけでなく、香りづけの効果もありますよ。
\松竹さんに質問!おせちの盛り付けQ&A/
Q. 大皿はどんなプレートがおすすめ?
今回は色のバランスがとりやすく、どんな食材とも相性のいい白のプレートを使用しました。黒のプレートを使うと、食材の色が映えてぐっと大人っぽくクールになります。他にも漆のお盆や、石板プレートに盛り付けても素敵ですね。
Q. 豆皿はどんなものを用意したらいい?
平べったいものだけでなく、高さのある小鉢があると立体的に仕上がります。あと、ひょうたんや梅・菊などのお正月っぽい形や絵柄のものや、金銀赤などの彩りになりそうな小皿を使うのもいいですね。おちょこやガラスの小さなグラスなども使えますよ。
Q. ゆずカップの作り方を教えて!
ゆずは、上から1/3くらいのところを横に切り落として、下の果肉と薄皮の間にスプーンを入れて果肉を取り出します。皮の内側に包丁の刃を当てて、断面を整えれば完成です。取り出した果肉は絞って和え物に入れるといいですよ。
Q. 数の子が苦手。おせちにおすすめのメイン食材ってなにがある?
数の子や海老など苦手な食材がある場合は、ローストビーフや生ハム、スモークサーモンなどの洋風の食材に変えても華やかになりますよ。
Q. どうしても色が地味になってしまいそう
かまぼこや海老など、赤い色合いのものをプラスすると華やぎます。色が似通ってしまったときには、葉物や南天の実などを使って、彩りをプラスするといいですよ。
わざわざ重箱を用意しなくても、手持ちのプレートを活用してお正月らしく盛り付けられるのでとっても便利!かわいいからと買ったものの、使い道がなく棚の奥で眠っていた我が家の豆皿たちも、お正月には活躍してくれそうです。
(SATETO編集部)
教えてくれたのは
- 松竹智子
- 料理家。福岡市内で料理教室や食のイベントをおこなう「深草」を主宰。フードスタイリストとして、食品関係企業のレシピ提案やスタイリングなども数多くおこなっています。
合わせて知りたい!おせちの具材と盛り付け方
手づくりしたいおせちの具材や、華やかさを添える飾り切り、おせちの盛り付けなどおせちづくりに役立つ記事をご紹介します。九州ならではのお雑煮も要チェック!ぜひ年末のおせち作りにお役立てください!
切って盛ればほら完成
「飾り切りで料亭風おせち」
おせちづくりには挑戦してみたいけれど、ひとつひとつ時間をかけて調理するのは大変ですよね。けれど、切って盛り付けるだけでお正月気分を味わうことができるとしたら、やってみたいと思いませんか? そこで、お弁当や日々のご飯に“飾り切り”を取り入れているという、料理家のももさんから、盛るだけで見た目は華やか、飾り切りでできるおせちのアイデアを教えてもらいました。
「数の子」に挑戦!
塩抜きの方法と味付けレシピ
お正月の定番、数の子に挑戦してみませんか? 数の子の調理で大切になるのが、塩抜きと薄皮の処理。しっかりと下ごしらえをしておくことで調味料がよくしみ込み、プロが作るような本格的な味付けにすることができます。作業自体は簡単なので、ちょっとのひと手間と時間をかけて、コリコリの食感と程よい塩味の数の子に仕上げましょう。
海老の旨みたっぷり!
はんぺんでつくる ふわふわ伊達巻
甘くてふんわりとした伊達巻は、小さなお子さんも大人も大好きな、おせち料理の人気メニュー。プロの料理人は魚のすり身を使いますが、家庭で作ろうとするとなかなか大変。そこで代用するのが、魚のすり身でできた「はんぺん」です。ふんわりとした食感に仕上がって一石二鳥。さらにえびも加えることで、旨みと風味もアップします。
おせちにも使える簡単作り置きレシピ
「大根と人参の洋風なます」
ビニール袋の中に必要な材料を入れて、冷蔵庫で寝かせるだけで完成する「大根とにんじんの洋風なます」。ビニール袋のままだと味が染み込やすく、洗い物も減るので一石二鳥! 簡単ながらも紅白の華やかな彩りは、ちょっとしたおもてなしやお正月の一品にもおすすめですよ。
今年はちょっと変わったお雑煮に挑戦!
「九州のご当地珍雑煮8選」
お正月料理に欠かせないお雑煮は、全国各地、地域や家庭によって、面白いくらい違いがあります。さらに地域性が強いにも関わらず、数軒隣の家からは、全く異なるお雑煮が食べられているなんてことも!そんな知れば知るほど面白い、お雑煮の沼にどっぷりとハマったお雑煮研究家の粕谷さんに、九州のお雑煮にスポットを当てて特徴を教えてもらいました。
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