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お買い物のちょっと前 牛・豚と農家、さらには地域をぐるりとつなげる みんなが嬉しい循環型農業に注目!

「私たちが普段食べているお肉って、一体どんな餌で育ったんだろう?」そんな疑問を抱いたことはありませんか?
牛や豚なら、稲わらや穀物飼料を餌としている場合が多いかもしれません。
でも、その餌はどこからきたもの?どんな土地で育ったのでしょう?そう考えると、「食の安全」とは目の前のお肉だけではなく、さまざまな環境とつながっている事に気付きます。今回は、食材のその先、さらにその先を考えた「循環型農業」について畜産農家の取り組みをご紹介します。


つながるといい事たくさん!
循環型農業がもたらす未来の畜産

牛や豚の排泄物から堆肥を作り、自社や近隣の農家がその堆肥を利用して農作物を育て、それをまた家畜の餌にする・・・・。そんな循環型の農業が、今、注目されています。それはなぜなのでしょうか?

ひと昔前までは当たり前のように行われていた方法ですが、生産性を上げるために化学肥料への依存が高まると、循環型農業へ取り組む農家が次第に減少していきました。その結果、堆肥によって補われていた有機物が土中から減ってしまい、耕地がどんどんやせてしまっているそうです。また、畜産が盛んになるにつれ、家畜から出る大量の排泄物は廃棄物として環境を脅かす存在になってしまいました。このままでは農業も畜産も持続的な生産ができなくなってしまう可能性も…。そんな現状から、再び「循環型農業」に取り組む農家が増えているそうです。

【循環型農業のメリットとは?】

  • 畜産農家・・・輸入飼料に頼らず、地域で育てた安全な稲わらや穀物をコストを抑えて十分量確保できる。
  • 牛・豚・・・質の良い飼料をたっぷり食べられる。また、稲わらを穀物飼料と混ぜることで、胃腸の調子が整うという利点もあり、ストレスなく健康に育つことで、良質な肉質になる。
  • 近隣農家・・・牛や豚などの排泄物で作った堆肥を低コストで利用できるので、優良な作物の生産が可能に。
  • 環境・・・堆肥を使った土地作りによって土中の有機物が増え、生産力が向上する。
  • 私たち・・・牛や豚が、どこでどのような餌を食べて育ったのか知ることができるので、信頼できる品質の肉を購入できる。

自然の営みの中でイキイキと育つ産直牛・豚の
安心・安全なお肉を召し上がれ!

地域のさまざまな取り組みを応援しているコープでも、「循環型農業」を実践している九州の畜産農家の商品を取り扱っているんですよ。それでは、各県の畜産農家の皆さんの声をお届けしましょう。


【牛】
ララコープの産直牛
中尾畜産(童夢牧場)[大分県九重町]

近隣の農家との相互協力で安全な稲わらを確保

「健康な牛を育てるためには、仔牛からしっかりと餌を管理することが大事」という思いのもと、こちらでは、生後1〜2週間の哺乳期の牛から育てています。一頭ずつ人の手で餌やりをするほど牛の成育に気を配っているだけあって、循環型農業にも積極的に取り組んでいるそう。
「牛の糞尿で作った堆肥を提携している近隣農家へ無料で配布しています。その堆肥を使って農家の皆さんに稲わらを作ってもらい、収穫したものを牛の餌にしているんです。牛の餌となる稲わらの確保は必要不可欠ですが、購入するとかなりの費用がかかります。安全な稲わらをコストを抑えて十分確保できる循環型農業はまさに理想的。今後も取り組みを続けたいです」

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【牛】
生協コープかごしまの産直牛
霧島ビーフ農協 有限会社 大丸[宮崎県小林市]

質の良い堆肥と、牛の寝床を自分たちの力で

こちらの農場では、さっぱりしていて食べやすい肉質が特徴のホルスタイン牛を育てており、その味はコープでも折り紙つき。おいしさの秘訣は、自家栽培している牧草にあるのだとか。「牛の糞尿を堆肥にして、田畑に散布し、牧草と飼料稲を栽培。それをまた牛の飼料として与えています。また、ノコクズと堆肥を混ぜて牛舎の牛の寝床として再利用。良質な堆肥と500頭分の飼料を無農薬で作ることは時間と手間がかかりますが、食に携わる自分たちの使命と考え、積極的に取り組んでいます」

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【豚】
コープさが生協の産直豚
JAさが天山ファーム[佐賀県富士町]

企業との連携でさらなる品質向上へ

平地に比べて気温が5℃ほど低い高山に広がる天山ファーム。自然の風が通り抜ける豚舎はほとんど仕切りが無く広々としています。床には排泄物を吸い取り、取り替えもしやすいオガクズのマットも敷かれ、豚ものんびりくつろいでいます。しかも使用したオガクズは発酵させて堆肥にしているのだとか。
「牧場の母豚や肉豚の糞尿を堆肥にして地元農家の皆さんへお渡ししています。堆肥にすることで豚舎内に糞がたまらず、効率よく掃除ができますし、清潔な豚舎で豚も健康に育っています。また、堆肥は土壌を柔らかくしてくれるので、作物の根がしっかり伸びて収穫量も上がるなど、近隣農家の方にもメリットがあります。当舎では、味の素グループと連携して、堆肥にアミノ酸菌体を配合。農作物の収量や糖度を上げる試みも進めています」

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【豚】
生協くまもとの産直豚
有限会社コーシン[熊本県菊陽町]

エコファーマーが取り組む、豚と野菜のおいしい関係

「子豚の成育環境こそが、良質な豚肉の土台となる」との信念のもと、子豚がぬくぬくと休める赤外線スペースを設置したり、母乳の質を上げるために母豚の餌にもこだわったりと、さまざまな工夫を続けています。そんな豚の排泄物を堆肥にして、同じグループである「阿蘇グリーン農園」の畑にたっぷりとすき込みます。栄養満点の土で育つ無農薬自家栽培の野菜は、みずみずしく味わいも豊か。畑の規模もだんだん広がっているそうです。
「自分たちの子ども世代に安全なものを食べさせたいと、阿蘇グリーン農園は、化学肥料に頼らないエコファーマーの認定を受けました。農場では一定期間を無薬飼料で育てた豚糞100%の堆肥を完全発酵させた堆肥を作っています」。養豚を起点に、持続可能な農業への取り組みがおこなわれています。

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今、食への関心が高まり、農業の形がさまざまな方面から見直されています。生産者だけではなく、地域も一緒になって取り組む循環型農業。普段は消費者である私たちも、ぐるりと円を描く農業体系の一員なんですね。少し意識を変えてみると、もっと知りたくなる畜産の話。
次回は、お肉と消費者をつなぐ“食の担い手”をリサーチします。

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