
青菜などの野菜に出汁やしょうゆを浸すだけのシンプルな調理法「おひたし」。四季折々の野菜で作ることができるおひたしですが、今回は、定番中の定番!「ほうれん草のおひたし」をご紹介します。ほうれん草の切り方や、茹で方、水けの絞り方など、細かなコツまで分りやすく説明します。さっと作れるシンプルなレシピは、もう一品足りないという時にも便利です。

▲ 教えてくれるのは、2児の母でもある料理家の宮崎知花さん。子育てと仕事を両立させる中で生み出す時短レシピは、忙しいママの強い味方。

和食献立の名脇役!
「ほうれん草のおひたし」
調理時間:約10分
※ほうれん草を洗う時間は除く

おひたしの基本的な材料は、メインの野菜ひとつと、最小限の調味料のみというシンプルさ。思い立ったらすぐに作れる心強い献立ですが、シンプルだからこそ、料理初心者にとっては味を整えるのが難しいという側面もあります。今回は、簡単にまんべんなく味が染み渡る「しょうゆ洗い」技法を用いたレシピをご紹介します。
\「ほうれん草のおひたし」を作る際のポイント/
今回のレシピは「しょうゆ洗い」がポイント。完成した後にしょうゆを浸すのではなく、しょうゆと水を混ぜた「しょうゆ水」を作り、茹でたほうれん草を絞った後に、全体にしょうゆ水をかけて味付けします。そうすることで、全体にむらなく味が染み渡りますよ。

「ほうれん草のおひたし」の材料2人前
- ほうれん草…1束(約150g)
- しょうゆ…大さじ1
- 水…大さじ3
「ほうれん草のおひたし」の作り方
1.しょうゆ洗い用の「しょうゆ水」を作る
水としょうゆを混ぜてしょうゆ水を作る。

■「しょうゆ水」を作っておく
ほうれん草を茹で、水けを絞った後にすぐに「しょうゆ洗い」ができるよう、最初にしょうゆ水を作っておきます。
しょうゆ洗いって?
しょうゆ洗いとは、野菜や肉、魚介類などの材料に、しょうゆを少量かけて下味をつけ、水けを絞る調理法です。主に、和えものやおひたしを作る時に用いられます。しょうゆの塩分で水分が引き出されるので、野菜がきゅっと引き締まるほか、臭みを取り除いたり、味が染みやすくなったり、さまざまな効果があります。
2.ほうれん草を洗う
ほうれん草の根元部分の茎と茎を開くようにして指で洗い、茎の間に残った土や汚れを落とす。その後、全体をしっかり洗う。

■根元部分は栄養が豊富!
ほうれん草の根元には、抗酸化作用のあるポリフェノールや、骨の形成に必要なマンガンなどのミネラルなどが豊富なので、捨ててしまうのはもったいない!ほんのり甘みがのっていておいしいですよ。
3.根元に切り込みを入れる
根元の太い部分に十文字の切り込みを入れる。

■十文字に切り込みを入れる
十文字に切り込みを入れることで、食感がよくなるだけでなく、根元の火通りもよくなります。根が長い場合は、赤い部分を少し残すように先端を切り落とすといいでしょう。
4.茹でる
鍋にたっぷりのお湯を沸かす。ほうれん草の葉を手で持ち、根元部分だけを先に10〜20秒ほど茹でる。その後、箸でほうれん草をお湯の中にしずめ、さらに30秒ほど茹でる。

■茹ですぎに注意!
沸騰状態のまま茹でるのがポイント。一度に入れる量は、お湯が沸々とした状態をキープできる量にとどめましょう。茹ですぎると食感が悪くなるほか、栄養素が流れ出てしまいます。
5.冷水にとる
大きめのボウルに冷水を用意する。茹でたほうれん草を箸ですくい上げ、冷水に取り、10秒ほどひたす。

■さらしすぎに注意
さらしすぎると水っぽくなるので注意しましょう。
6.軽く絞る
冷水から上げたら、根元が上になるように持ち、手で上から下へ水けを絞る。

7.しょうゆ水をかける
ほうれん草の半量を手にとり、葉と根元が互い違いになるように置く。1で作ったしょうゆ水の半量を全体にかけ、軽く手で絞る。

■互い違いに置く
ほうれん草の根と葉を互い違いにすることで、太さが均一になり、全体にまんべんなく味を染み渡らせることができます。
8.切る
まな板に、ほうれん草の根元部分を揃えて置き、5cmほどの長さに切る。

9.残りのしょうゆ水をかける
お皿にもりつけ、残りのしょうゆ水をかける。最後にかつおぶし(お好みの量)をかけたら完成。


【 ほうれん草のおひたしQ&A 】
Q. ほうれん草のおひたしは保存できる?
A.保存する場合は、栄養がほとんどそのまま残る冷凍保存がおすすめです。1食分ごとに小分けにしてラップをしておけば、1時間ほどで自然解凍することができます。レンジで再加熱し、冷ましてお弁当に入れるのもおすすめ。
Q. ほうれん草を茹でた後、冷水につけるのはどうして?
A.ほうれん草にはえぐみ(苦み)を感じさせるアク=シュウ酸という成分が含まれています。茹でると抜けますが、冷水にさらすことで、さらにアクを抜くことができます。また、ほうれん草のきれいな緑色を保つというのも理由のひとつです。
Q. カットしてから茹でちゃダメなの?
A. カットしてから茹でると、ほうれん草の栄養成分が流出してしまいます。旨みが抜けて苦味が強くなることもあるので、茹でてからカットしましょう。
「ほうれん草のおひたし」で使えるコープ商品
これまで何度も作ったことがあるほうれん草のおひたし。改めて作り方を教えていただき、自分が作る手順との違いに戸惑いました。もちろんおおまかな流れは同じなのですが、各工程で出てくるちょっとしたコツには目からウロコ!そして、実際に宮崎さんが作ったものを試食させていただき、こんなにも味わいや食感に違いがでるものかと驚きました。難しいコツはひとつもなく、本当にどれも“ちょっとしたひと手間”なので、さっそく実践していきたいと思います!
(SATETO編集部 寺尾)
教えてくれたのは

- 料理教室「スマイルスマイズ」主宰
宮崎知花 - 大手料理教室で13年間勤めた後、第2子出産をきっかけに自宅で料理教室を開始。料理とパンづくりを同時に学ぶことができる1回完結レッスンや、親子で一緒に料理が楽しめる親子レッスンなどを定期的に開催しています。
食材ひとつでできる!簡単副菜レシピ
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