使い切れなかった野菜が、野菜室の奥でクタッと傷んでいたり、お買い得な時に買ったのに消費期限を切らしてしまったり…。もったいない!と思いつつも、捨ててしまう食材たち。こういった食品ロスは、環境にも悪い影響を与えてしまうため、できるだけ減らしたいものです。ではどういった工夫をすれば、減らすことができるのでしょうか?今回は食材を無駄にしないアイデアや、野菜を丸ごと使うエコクッキングをご紹介します。ぜひ参考にして、日々の生活に取り入れてみてください!
まずは…
食品ロスについて知ろう!
食品ロスとは、本来食べられるのに捨てられてしまう食品のことで、大きく2つに分けられます。ひとつはスーパーなどの売れ残りや飲食店での食べ残しなどの「事業系食品ロス」。もうひとつは、家で消費できなかった食品や食べ残しなど、家庭から発生する「家庭系食品ロス」です。
食品ロスは世界的にも深刻な問題
FAO(国際連合食料農業機関)の報告書によると、世界では生産されている食料の約40億トンのうち、1/3に当たる約13億トンもの食料が毎年廃棄されているといわれています。またそのうち日本では約522万トン、東京ドーム約5杯分の食料が廃棄されているそう。これは1人当たり、毎日お茶碗一杯分(約150g)のご飯を捨てている計算に!
家庭で出る食品ロス、どのくらいあるの?
では日本で出る食品ロスのうち、家庭からは一体どのくらい出ているのでしょうか?農林水産省の統計(2020年)によると、日本で出る食品ロス約522万トンのうち、約247万トン(47%)が家庭から出ており、グラフで見ると事業系食品ロスとあまり大差がないことがわかります。意外に家庭からの食品ロスの多さに驚きです。
私たちができること
2019年に「食品ロスの削減の推進に関する法律」が施行されて以降、日本では食品ロス削減について様々な取り組みが行われています。私たちができることは、「スーパーで買い物をする時には、賞味期限の近い値引き商品や規格外のものも買う」「飲食店では食べきれる量を注文する」「家庭では食品を使い切り、食べ残しを出さない」など、ちょっとした行動が食品ロス削減に繋がります。
家庭でできる食品ロス削減の工夫
では家庭でできる食品ロス削減には、どんなものがあるのでしょうか。話を聞いたのは、普段から野菜の皮も丸ごといただき、捨てるゴミが少ないという料理家の松竹さん。仕事柄、キッチンに立つ時間が長いだけに、どれも目からウロコのアイデアばかりです!
▲教えてくれたのは、料理家の松竹智子さん。 旬の野菜を中心に、日々の食卓に取り入れやすいレシピを提案されています。
\ 松竹さんからのひとこと /
「食品ロス削減、特に意識していないけど…」と言いながら雑談をしていたら、「それ、立派な食品ロス削減ですよ!」と指摘されてビックリ。野菜を長持ちさせたり、皮も食べられるからと料理したり…。自然にやっていることが食品ロスに繋がっていたんですね。みなさんの参考になれば嬉しいです!
野菜保存の工夫
その1 しょうがは水を入れた瓶で保存
痛みの早いしょうがは、瓶に入れて全体が被るくらいの水を注ぎます。1週間おきに水を入れ替えるだけで、約1ヵ月保存が可能!
その2 にんにくはまとめて目につく場所に
冷蔵庫の中でバラバラになりがちなにんにくは、透明の瓶に入れて目に付きやすい場所に置きます。どのくらいあるか一目でわかるので、買いすぎ防止にも。
その3 セロリは葉と茎に分けておく
捨ててしまう人も多いセロリの葉。工夫次第で料理に使えるので、セロリを洗って水けを切ったら、茎はラップに包み、葉は食品用の密封袋に入れて野菜室へ。長く保存でき、葉は袋から出してサッと使えます。
皮・葉の有効活用
その1 キャベツの皮をクッキングシートの代用に
汚れていたり、しなびれていることも多いキャベツの外側の葉。しっかりと洗って、シュウマイを蒸す時にクッキングシートの代わりに下に敷くと、便利な上にそのまま食べられます。
その2 大根の皮は切干大根に
おでんを作る時など、大量に出る大根の皮は、天気のいい日に外に干して、自家製切干大根に。にんじん、かぼちゃでも同様にできます。どれも食感や甘みが増しておいしい!
その3 季節もののゆずの皮は冷凍保存
冬時期にしか採れないゆずは、皮を刻んでラップに包み、保存袋に入れて冷凍しておきます。季節に関係なく、お吸い物や茶碗蒸しなどの香り付けに使えて便利!
その4 捨てがちな野菜の葉も一品に
にんじんの葉をかき揚げにしたり、大根やかぶの葉でふりかけを作ったり、工夫次第で葉の部分もおいしくいただけます!
捨てるはずのものを有効活用!
味噌汁などを作る時に出るだしがら。まだまだ栄養が含まれている昆布やカツオは、その都度冷凍ストックして、溜まったら自家製ふりかけにリメイクを。ほかにも、にんじんやたまねぎの皮など集めてコトコト煮れば、添加物なしの自然派ブイヨンのできあがり!
\ まだまだあるよ!松竹さんのこんな工夫/
余った牛乳や豆乳はどうしてる?
使い切れなかった牛乳や豆乳は、ホワイトソースを作って冷凍して
おきます。1パック買った方がお得なので、いつもそのつもりで買っ
ています。
食べきれないほどのお裾分け。どうすればいい?
季節の野菜や果物は、お裾分けをたくさんいただいたり、箱買いを
した方がお得なことも。トマトでケチャップを作ったり、甘夏みかん
でジャムやオレンジピールを作るのは毎年の定番。いつも季節仕事の
ひとつとして楽しんでいます。
野菜保存の工夫
その1 しょうがは水を入れた瓶で保存
痛みの早いしょうがは、瓶に入れて全体が被るくらいの水を注ぎます。1週間おきに水を入れ替えるだけで、約1ヵ月保存が可能!
その2 にんにくはまとめて目につく場所に
冷蔵庫の中でバラバラになりがちなにんにくは、透明の瓶に入れて目に付きやすい場所に置きます。どのくらいあるか一目でわかるので、買いすぎ防止にも。
その3 セロリは葉と茎に分けておく
捨ててしまう人も多いセロリの葉。工夫次第で料理に使えるので、セロリを洗って水けを切ったら、茎はラップに包み、葉は食品用の密封袋に入れて野菜室へ。長く保存でき、葉は袋から出してサッと使えます。
皮・葉の有効活用
その1 キャベツの皮をクッキングシートの代用に
汚れていたり、しなびれていることも多いキャベツの外側の葉。しっかりと洗って、シュウマイを蒸す時にクッキングシートの代わりに下に敷くと、便利な上にそのまま食べられます。
その2 大根の皮は切干大根に
おでんを作る時など、大量に出る大根の皮は、天気のいい日に外に干して、自家製切干大根に。にんじん、かぼちゃでも同様にできます。どれも食感や甘みが増しておいしい!
その3 季節もののゆずの皮は冷凍保存
冬時期にしか採れないゆずは、皮を刻んでラップに包み、保存袋に入れて冷凍しておきます。季節に関係なく、お吸い物や茶碗蒸しなどの香り付けに使えて便利!
その4 捨てがちな野菜の葉も一品に
にんじんの葉をかき揚げにしたり、大根やかぶの葉でふりかけを作ったり、工夫次第で葉の部分もおいしくいただけます!
捨てるはずのものを有効活用!
味噌汁などを作る時に出るだしがら。まだまだ栄養が含まれている昆布やカツオは、その都度冷凍ストックして、溜まったら自家製ふりかけにリメイクを。ほかにも、にんじんやたまねぎの皮など集めてコトコト煮れば、添加物なしの自然派ブイヨンのできあがり!
\ まだまだあるよ!松竹さんのこんな工夫/
余った牛乳や豆乳はどうしてる?
使い切れなかった牛乳や豆乳は、ホワイトソースを作って冷凍しておきます。1パック買った方がお得なので、いつもそのつもりで買っています。
食べきれないほどのお裾分け。どうすればいい?
季節の野菜や果物は、お裾分けをたくさんいただいたり、箱買いをした方がお得なことも。トマトでケチャップを作ったり、甘夏みかんでジャムやオレンジピールを作るのは毎年の定番。いつも季節仕事のひとつとして楽しんでいます。
松竹さんに教えていただくエコレシピ
普段なら捨ててしまいがちな野菜や果物の皮も、上手に活用すればおいしい一品に。松竹さんがよく作る、“もったいないを救うエコレシピ”を教えてもらいましょう!
りんごの皮の甘煮
リンゴを食べたら、剥いた皮を甘く煮て小さなおやつに。紅茶に加えたり、ヨーグルトにトッピングしたり、焼き菓子にもピッタリ!りんごの甘い香りが幸せな気持ちにさせてくれます。
材料(作りやすい量)
- りんご…2個
- きび砂糖…大さじ2
作り方
- 1. りんごの皮は斜め1cm幅に切り、鍋に入れる。きび砂糖、水大さじ1(分量外)を加えて、弱火
にかけ、約5分煮る。 - 2. 全体がしんなりしたら取り出して、密封容器に入れて保存する。
- 1. りんごの皮は斜め1cm幅に切り、鍋に入れる。きび砂糖、水大さじ1(分量外)を加えて、弱火にかけ、約5分煮る。
- 2. 全体がしんなりしたら取り出して、密封容器に入れて保存する。
料理家さんからもお便りレターが届きました
「私のエコクッキング術」
いつもSATETOでレシピを提供してくださっている2人の料理家さんから、日頃実践しているエコクッキングレターが届きました!すぐにマネできるものが満載です。
野菜は皮までおいしくいただこう。
食いしん坊のエコクッキング術
料理家の本田さんから、エコレシピが届きました。今回のレシピは、野菜の皮のカリカリ焼きと、野菜の水分のみで旨みたっぷりに仕上げる「おかたづけスパイスカレー」。中途半端に残っている野菜や調味料を使い切ってしまう便利なレシピです。
卵が余りそう!
そんな時の頼れる卵消費レシピをご紹介
カタログで卵を注文していたのに、すっかり忘れてスーパーで買っちゃった!なんてことありませんか?そんなときに覚えておくと役立つ、卵レシピと保存技をおしえていただきました。卵たっぷり卵丼と、作り置きしておけばおつまみにパッとだせるやみつき味玉、お弁当に役立つ卵の冷凍術をご紹介します。
「食品ロス削減」の言葉に、ちょっと堅苦しさを感じますが、よくよく考えると、いつも捨てていたものから料理ができて、しかもゴミが出ずに地球に優しい。さらに冷蔵庫もキレイに!何だか料理上手になった気分になります。 “楽しみながら、もったいないを減らす”。この気持ちが大事ですね!
(SATETO編集部 佐藤)
教えてくれたのは
- 松竹智子
- 料理家。福岡市内で料理教室や食のイベントをおこなう「深草」を主宰。フードスタイリストとして、食品関係企業のレシピ提案やスタイリングなども数多くおこなっています。