“実りの秋”の訪れを告げる味覚といえば、ツブツブの食感にまったりとした甘みをまとったイチジク。もとはアラビア半島が原産で、古代エジプトの壁画にも描かれているほど、古くから愛されているフルーツです。
しかも「不老長寿の果物」とも呼ばれるほど栄養満点!食物繊維をはじめ、カリウムやアントシアンも豊富で、乾燥させたものは生薬にも使われているとか。女性にとってもうれしい美肌効果もあるそうですよ。
味も栄養も文句なしのイチジクですが、食べられる時期が8〜10月とあまり長くない上に収穫されてからも足が早いという点も…。今だけのおいしさを逃さず、しっかり満喫しましょう。
【食べているのは、実じゃなくて花だった?!】
イチジクの中にある赤いツブツブとした部分、実はここがイチジクの花。イチジクは、春から初秋にかけて実の中に花をつけて肥大します。花を咲かせずに実をつけるようにみえるため、「無花果」という漢字があてられたとか。いつも私たちが食べている部分は、実ではなく“花”だったなんて驚きですね。
【選ぶ時のポイントは?】
イチジクは、ハリがあって傷が無いものを選びましょう。全体的にふっくらとしていて色づいているものがおすすめです。ヘタの切り口がみずみずしいものほど新鮮な証です。
【食べ頃っていつ?】
全体が赤褐色に色づき、果実が耳たぶくらいのやわらかさになって、おしりが開いたら完熟した印。果実の中の赤い花が見えるくらい開いたころが、食べ頃です。また、熟すと特有の甘い香りが漂うので、香りで判断しても。
【保存方法は?】
日持ちしないので、なるべく早めに食べ切りましょう。保存する場合は、ビニール袋に入れて野菜室に入れるか、ジャムやコンポートに加工するのもオススメです。
【いちじくの産地より】JA筑前あさくら とよみつひめ
福岡県で栽培されているブランドイチジク「とよみつひめ」。そのおいしさの秘密を探るべく、県内トップの生産量を誇るJA筑前あさくらの産地を訪ねました。
甘みがぎゅっと詰まったイチジク「とよみつひめ」は
皮ごと丸かじりするのが一番です!
生産者:JA筑前あさくら とよみつひめ部会 内田さん
福岡県で栽培されているブランドイチジク「とよみつひめ」。そのおいしさの秘密を探るべく、県内トップの生産量を誇るJA筑前あさくらの産地を訪ねました。
福岡県の農業総合試験場・豊前分場で開発された「とよみつひめ」。
イチジクは皮を剥いて食べるのが一般的ですが、「とよみつひめ」は皮がとても薄いので、そのままかぶりつくのが一番美味しい食べ方だそうです。
思いきってガブリとほおばると、とろけるような食感にのせてほのかに酸味が効いた上品な甘さが口いっぱいに広がります。名前に「みつ(蜜)」が入っている通り、糖度17度と甘さも格別。糖度17度といえば、みかんやキウイよりも高く、オレンジの約2倍もの数値なんですって。
思わず、2個、3個と手が伸びてしまうおいしさですが、その分、栽培にはとても気を使います。内田さんによると、毎日の管理が欠かせないそうです。
「とよみつひめは暑さにも寒さにも弱い上に、水が多すぎても少なすぎてもダメ。『田んぼの足跡が肥やしになる』という父の言葉通り、毎日畑まで足を運んで世話をしないとうまく育たないんです」
デリケートな性質は、まさにお姫さま。内田さんがどのように育てているのか、ちょっとのぞいてみましょう。
内田さんの愛情いっぱい♡とよみつひめ育成ストーリー
■ 冬、土作り
夏の収穫に向けて、冬は土作りに専念。「良い作物はいい土から」がモットーの内田さんは自家製の堆肥をたっぷりと使ったフカフカの畑作りに力を入れています。除草剤はほとんど使わず、雑草はこまめに刈り取るなど、安心・安全なイチジク作りはここから始まっているんですね。
■ 春、芽生え
4月ごろから本格的な農作業がスタート。幹からちょこんと姿を見せる芽は、風通しや日当たりを計算しながら大きく育ちそうなものだけを残して間引きます。その見極め力はまさにプロの技!
さらに内田さんは毎日の作業を全てパソコンで管理しているそう。「自然相手だけに思い通りにならないことも多いですが、変化を感じるのも農業の醍醐味」と楽しみながら取り組んでいらっしゃいました。
■ 夏〜、収穫
果実は日光で色づくので、上も下もたっぷりと光があたるように白い反射シートを地面に設置します。収穫は、ハウス栽培だと6月下旬、露地ものは7月下旬から。気温が上がりすぎると傷みやすいので、作業は慎重に行われます。
「収穫の目安は、皮が赤褐色になって、実の柔らかさが耳たぶくらいになった頃。一日でも遅いと熟れ過ぎで出荷できないのでその判断も難しいですね」毎日「とよみつひめ」と向き合う内田さんならではの目利きが光ります。
■ 夏〜秋、出荷
収穫後はすぐにJA筑前あさくらの選果場へ。色や形など厳しい基準での選別を経て、手作業でていねいにパック詰め。その日のうちに生協のセンターに送られ、「しんせん便」の商品として組合員のもとへ届けられます。
ちなみに規格外の「とよみつひめ」は、ジャムや菓子などに加工するため菓子メーカーなどに出荷されているそうです。
収穫の翌日にあなたの元へ コープの「しんせん便」
生協では、産地とのネットワークを利用して、いち早く生鮮食品をお届けできる「しんせん便」を用意しています。
「とよみつひめ」は、収穫後の選果や配送も低温管理を徹底し、鮮度をキープ。足が早いイチジクだからこそ、無駄にすることなく食べ頃をみなさんのもとへ届けたい。そんな思いと一緒に、採れたてのような美味しさが味わえます。
「とよみつひめ」が届くまで
AM5:00 収穫
↓
AM9:00 選果場へ持ち込み
↓
AM12:00 選果・品質管理・パック詰め
↓
PM3:00 生協のセットセンターに到着
↓
翌日
「しんせん便」でお届け
※地域によっては翌日お届けできない場合がございます。
\ 組合員交流会で、いちじくの収穫体験をしました /
2019年9月の組合員交流会では、とよみつひめの産地である朝倉地区での民泊を実施。朝倉の大自然を満喫した後、とよみつひめの収穫体験や選定場見学、試食会をおこないました。
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旬の時期も食べどきも駆け足ですが、それだけに味わえた時の喜びも大きいイチジクは、私にとってどこか特別なフルーツです。しかも、余すところなく味わいたいという食いしん坊としては、皮ごとガブッといける「とよみつひめ」はまさに理想的♡…と言っても、人気のフルーツだけに、市場ではなかなかお目にかかれない存在でした。
でも、JAあさくらで栽培されている「とよみつひめ」は、半数近くがコープで販売されているという耳寄り情報が!今年は存分に楽しめそうです。
(SATETO編集部 大内)
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