
カテキンやテアニン、ビタミンCなど栄養素たっぷりのお茶。最近はヘルシーでリラックス効果があると、海外からも注目を集めています。しかも九州は日本有数のお茶どころ。各県に産地があり、2024年の全国荒茶生産量では鹿児島県が初の日本1位に! 今回は産地のひとつである長崎県北松浦郡にある北村製茶を訪ねて、お茶についていろいろ教えていただきました。

さて子一家の朝

さて太郎、朝ご飯のおにぎり、おいしかった? 食後に新茶をどうぞ。爽やかでいい香りよ〜。

さて太郎、朝ご飯のおにぎり、おいしかった? 食後に新茶をどうぞ。爽やかでいい香りよ〜。

うん! いつものお茶より、ちょっと甘〜い気がするよ。ところで、新茶ってなあに?

うん! いつものお茶より、ちょっと甘〜い気がするよ。ところで、新茶ってなあに?

新茶って、その年で一番最初に摘まれたお茶のことなのよ。でも、今飲んでいるお茶って、どんな風に育ったのかしらねえ?

新茶って、その年で一番最初に摘まれたお茶のことなのよ。でも、今飲んでいるお茶って、どんな風に育ったのかしらねえ?

それなら、新茶の季節に茶畑へ一緒に行ってみましょう! お茶ができるまでの工程も見せてもらえますよ〜。

それなら、新茶の季節に茶畑へ一緒に行ってみましょう! お茶ができるまでの工程も見せてもらえますよ〜。
長崎県北松浦郡の「北村製茶」にやってきました!

訪れたのは長崎県北松浦郡にある「北村製茶」。こちらは有機栽培で「茶の木」を育てている、全国でも珍しい茶畑です。この日は、毎年長崎のララコープが企画している「新茶摘みバスハイク」や地元グループの茶摘み体験も行われていて、茶畑はとってもにぎやかでした。

「こんなふうに子どもたちの元気な声でいっぱいの茶畑が、私たちの夢だったんですよ〜」と登場したのが、「北村製茶」2代目の北村 誠さんです。ララコープの組合員さんにも、笑いいっぱいのマシンガントークで大人気。とっても愉快で優しい社長さんです。


北村製茶
北村 誠さん
さて子さん、さて太郎くん、上田さん、さっそく新茶を摘んでみらんね〜? 新芽とその下2枚の葉の下からプチッと茎を折って、摘んだらいいよ。

北村製茶
北村 誠さん
さて子さん、さて太郎くん、上田さん、さっそく新茶を摘んでみらんね〜? 新芽とその下2枚の葉の下からプチッと茎を折って、摘んだらいいよ。

わー! 生きているお茶の葉っぱに初めてさわったよ! これ、伸びたばっかりの新芽かな? やわらかーい!

わー! 生きているお茶の葉っぱに初めてさわったよ! これ、伸びたばっかりの新芽かな? やわらかーい!

いつも見ているお茶は深い緑色だけど、新芽は黄緑色っぽいのね。摘んだ新芽をクンクンすると、しっかりお茶の香りがするわあ。

いつも見ているお茶は深い緑色だけど、新芽は黄緑色っぽいのね。摘んだ新芽をクンクンすると、しっかりお茶の香りがするわあ。

ちょっと食べてみたらほんのり苦みと渋みもあって……おっ、大人テイスト!

ちょっと食べてみたらほんのり苦みと渋みもあって……おっ、大人テイスト!
「一芯二葉」の新芽をつむ、茶摘み体験

新茶の収穫は冬を越した「茶の木」に新芽が芽吹く、4月から5月にかけて行われます。新茶を摘むタイミングは「一芯二葉(いっしんによう)」と呼ばれ、新芽の先端と、そのすぐ下の2枚の若葉が開いた状態がベスト。お茶農家さんは、香り・旨み・栄養がバランスよく整う「一芯二葉」の摘み時を見極めて、収穫をスタートします。たくさんのお茶の木がいっせいに芽吹くので、この時期は朝からてんてこまい。ちなみに「夏も近づく八十八夜〜♫」という歌に出てくる「八十八夜」とは、今でいう5月1日頃。ゴールデンウィークはずっと茶畑にいるそうです。


ねえねえ北村さん、お茶の木って、背が伸びない木なのかな? 子どもが茶摘みするのにぴったりサイズだね!

ねえねえ北村さん、お茶の木って、背が伸びない木なのかな? 子どもが茶摘みするのにぴったりサイズだね!

さて太郎くん、それがね、ちょっと違うんだよ。お茶の木はほおっておくとグングン背が高くなるんだよ。そうすると茶葉が摘みにくくなって困っちゃうでしょ? だから機械で茶摘みができる高さにお茶の木を管理しているんだよ。

さて太郎くん、それがね、ちょっと違うんだよ。お茶の木はほおっておくとグングン背が高くなるんだよ。そうすると茶葉が摘みにくくなって困っちゃうでしょ? だから機械で茶摘みができる高さにお茶の木を管理しているんだよ。

ほんとだ〜! 機械でスイスイ茶摘みができてますね!畝の幅も機械に合わせて育てるなんて、知らなかったわ。

ほんとだ〜! 機械でスイスイ茶摘みができてますね!畝の幅も機械に合わせて育てるなんて、知らなかったわ。

茶の木は長寿で品種もいろいろ
「茶の木」は長寿の木で100年以上生きることもあります。樹齢が増すほど味わい深くなると言われる一方で、収量量はだんだん減っていくのだそう。そのため茶畑にある「茶の木」は30年〜50年ほどで植え替えるのが一般的。木は挿し木で増やして育てます。また、お茶とひとくちに言っても「茶の木」の品種はいろいろです。「北村製茶」では「おくみどり」「かなやみどり」「さえあかり」など現在7種類の品種を栽培しています。日本では複数品種の茶葉をブレンドしての製茶が一般的でしたが、最近は単一品種のお茶(シングルオリジン)にも注目が集まっているそうですよ。

夏になると二番茶、三番茶の収穫が始まります
新茶を積み終えた後もお茶の収穫は続きます。「北村製茶」では7月に二番茶、8月に三番茶の茶摘みを行います。二番茶は新茶に比べて葉がやや硬くなり、渋みが増すのだとか。普段づかいのお茶として広く親しまれています。三番茶は暑さの中で成長するので、葉は硬め。一般的には番茶やペットボトルのお茶に使われることが多いそうです。10月には秋冬番茶の刈り取りも行います。

茶摘みの合間にも除草や追肥など、「茶の木」のお世話はいろいろあります。秋には茶の木の根本の土を深く耕して、土づくりに取り組むのも大切な仕事。有機栽培を行っている「北村製茶」では、冬にカヤを刈り取り、畑に入れているそう。農薬も使わず、米酢や木酢液を畑に撒いています。ちなみに茶畑に立っている大きな扇風機のようなものは「防霜ファン」という装置です。春先の遅霜から茶摘み前の新芽を守るために、地表近くの冷たい空気を吹き飛ばし、霜が降りるのを防いでいます。
[ ララコープと長いお付き合いのある「北村製茶」 ]

標高300mの小高い丘の上にある「北村製茶」の茶畑は、1954年から誠さんのお父様の親二さんが開拓をはじめた畑です。親二さんが妻のサツ子さんと結婚した後も、しばらくは機械も使わず、ずっと人力で作業をされていたのだそう。そんな親二さんに「農薬や化学肥料を使わずに、お茶をつくってもらえますか?」と声をかけたのが長崎市民生協(現・ララコープ)。親二さんをはじめ北村家のみなさんは、はここに書ききれないほどのご苦労を重ねながら、無農薬でのお茶栽培を成功させ、1965年今にいたるまでずっとララコープとのお付き合いが続いています。

★「北村製茶」の歴史とご苦労の様子はコチラ

茶摘み体験、楽しかったね!でも、どうやってあの生葉がおうちで飲んでいるお茶の葉になるのかな?

茶摘み体験、楽しかったね!でも、どうやってあの生葉がおうちで飲んでいるお茶の葉になるのかな?

ほんとね、そのまま乾燥しているわけではなさそうよね?

ほんとね、そのまま乾燥しているわけではなさそうよね?

「北村製茶」には製茶工場もありますよ。見学させてもらいましょう!今回は、長崎地方独特の「蒸し製玉緑茶(たまりょくちゃ)」という作り方をみせていただきました!

「北村製茶」には製茶工場もありますよ。見学させてもらいましょう!今回は、長崎地方独特の「蒸し製玉緑茶(たまりょくちゃ)」という作り方をみせていただきました!

「蒸し製玉緑茶」は、炒るのではなく、蒸すことで酵素の働きを止めて、茶葉の鮮度を活かしている製法です。自然な乾燥工程のなかで茶葉が勾玉のように丸まるのが特長で、「玉緑茶」の名前の由来なんですよ。一般的なお茶は茶葉がまっすぐなものが多いので、ご家庭のお茶と見比べてみてくださいね!

「蒸し製玉緑茶」は、炒るのではなく、蒸すことで酵素の働きを止めて、茶葉の鮮度を活かしている製法です。自然な乾燥工程のなかで茶葉が勾玉のように丸まるのが特長で、「玉緑茶」の名前の由来なんですよ。一般的なお茶は茶葉がまっすぐなものが多いので、ご家庭のお茶と見比べてみてくださいね!
「蒸し製玉緑茶」ができるまで

「北村製茶」の工場で製茶を担うのは、誠さんの弟さんファミリー。今回は摘み取った新茶を「荒茶(選別やブレンドをする前のお茶)」にするまでの工程を見学させていただきました。茶摘みで収穫した生葉100kgから23kgの「荒茶」ができるそうです。1/4以下までに減ってしまうんですね!

1. 送風・加湿

摘み取った生葉はすぐに工場へ運び込み、ファン(扇風機)付きのコンテナに入れます。生葉はたちまち発酵して熱を持つので、送風して温度・湿度をコントロール。鮮度をしっかり保ちます。
2. 蒸熱(じょうねつ)

生葉を約100℃の蒸気にくぐらせて、酵素の活動をおさえます。この蒸熱より、茶葉のきれいな緑色をキープします。
3. 葉打ち

茶葉を葉打ち機の中へ。内部には鍬のような形状の「もみ手」などがあり、これらが回転して茶葉をさばきます。約90℃の熱風を15分ほど当てて、水分を飛ばします。
4. 粗揉(そじゅう)
茶葉を揉みながら熱風を送り、水分が40%になるまで乾燥させます。この工程は葉を揉むことが重要。30分ほど揉んでいきます。
5. 揉捻(じゅうねん)

粗揉をした茶葉は、まだ乾燥が不均一。約20分、揉捻機で茶葉に圧力を加え、全体の水分量を均一にします。
6. 中揉(ちゅうじゅう)

ドラム型回転機のなかで熱風を当てて、「もみ手」で軽く揉んでいきます。約20分かかります。
7. 精揉(せいじゅう)
2枚の盤の間に茶葉を挟み、約30分間、こすり合わせるようにして茶葉の形を整えます。
8. 乾燥

長期保存できるよう、約60分間かけて水分が約5%になるまで乾燥させます
9. 荒茶完成
製品が均一になるように混ぜ合わせます。この後、選別や仕上げ、ブレンドを行います。

たくさんの工程を経て、おいしいお茶が完成するのね!お茶を飲むたびにそこに込められた、北村さんたちの手間ひまを思い出しそうです。

たくさんの工程を経て、おいしいお茶が完成するのね!お茶を飲むたびにそこに込められた、北村さんたちの手間ひまを思い出しそうです。

最後には、機械と人の目でしっかり異物チェックもしているから、安心しておいしいお茶を楽しんでください。これからお茶をいれる時のポイントや茶殻の活用法を伝授するから、おうちでぜひ試してみてね!

最後には、機械と人の目でしっかり異物チェックもしているから、安心しておいしいお茶を楽しんでください。これからお茶をいれる時のポイントや茶殻の活用法を伝授するから、おうちでぜひ試してみてね!
[ 北村さんが伝授するおいしいお茶のいれ方 ]
□煎茶には軟水が適しています。前の晩に汲み置きした水を使うと朝のお茶がおいしくなります。
□水道水のカルキ抜きは、やかんで沸騰3分以上、ポットで沸騰✕2回がおすすめ。
□お湯の温度は70〜80度。沸騰したお湯を一度茶碗に移して冷ますとちょうどいい。
□茶葉の量は、1人分2〜3g(小さじ1)、4人分10g(大さじ2)
□約1分ほど、茶葉が十分に開いた状態になるまで置くとよりおいしい。
□渋いお茶が飲みたい時は高い温度(80〜90℃)、旨みの効いたお茶が飲みたい時は低い温度(60〜70℃)でいれましょう。

[ お茶を飲んだ後の茶葉でつくる「茶殻佃煮」 ]
茶殻にはたっぷりの栄養素が残っています。捨てずに佃煮にしてみてはいかが?お茶のほろ苦さがおいしくて、おにぎりやお茶漬けにも合いますよ
材料:茶殻・千切り昆布・ちりめんじゃこ・胡麻・酒・醤油・酢
作り方:①ちりめんじゃこを乾煎りし、器に取り出す。
②鍋に、茶殻・千切り昆布・酒・醤油・酢を適量入れて、焦げないように混ぜながら
③ちりめんじゃこを加え、胡麻をかけて、完成!
茶摘み体験&工場見学の後は「北村製茶」が生葉の天ぷらとおそばを振る舞ってくれました。摘みたての生葉だからか、苦みもクセがない爽やかな味わい。子どもたちもモリモリ食べていました。


生茶の天ぷら、初体験だったよ! サクサクしてておいしかったな〜。お茶の味がして驚いちゃった。

生茶の天ぷら、初体験だったよ! サクサクしてておいしかったな〜。お茶の味がして驚いちゃった。

普段何気なく飲んでいるお茶のふるさとに遊びに来られてよかったわね。さて太郎も前よりお茶のことが、好きになったんじゃない?

普段何気なく飲んでいるお茶のふるさとに遊びに来られてよかったわね。さて太郎も前よりお茶のことが、好きになったんじゃない?

「北村製茶」のお茶は、ララコープが地元・長崎県で進めている「地産地消」活動のひとつとして展開している「ララじげもん商品」なんですよ。ほかの地域でも、地元のお茶を使ったコープのPB商品がいろいろあるので、ぜひチェックしてみてくださいね!

「北村製茶」のお茶は、ララコープが地元・長崎県で進めている「地産地消」活動のひとつとして展開している「ララじげもん商品」なんですよ。ほかの地域でも、地元のお茶を使ったコープのPB商品がいろいろあるので、ぜひチェックしてみてくださいね!
北村さんの楽しいトークに大笑いしながらの茶摘み体験。持ち帰らせてもらった生葉については「お家でも自分でお茶をつくれるよ」と北村さんが教えてくださったので、さっそく実験スタート。まずレンジでチンして水分を飛ばし、フライパンでちょっと煎る→放置を何度か繰り返すと……茶葉に似たものが完成! さっそく淹れてみたら、若々しくて透明感のあるさわやかな新茶です。素人仕事にしてはとてもおいしくて、庭があったらお茶の木を植えたいと思ってしまいました。北村さん、お茶のことをいろいろ教えてくれて、また温かくおもてなししてくださって、本当にありがとうございました!
(SATETO編集部 西村)
子どもとチャレンジ
おいしいお茶の淹れ方
「最近の子ども達って温かいお茶を淹れて飲むことあるのかな?」と編集部内で話題になり、「日本人なんだから温かいお茶に親しんでもらいたい!」と決まった企画。子どもたちにおいしいお茶の淹れ方からお茶のヒミツ、お茶に合う和菓子作りまで体験してもらうことに。さて、どんな感想が聞けるかな?
後編:九州の美味しいお茶と和菓子レシピも

お茶といえば静岡県が有名ですが、実は九州も全国有数のお茶処。九州の三大銘茶といわれる「八女茶」「嬉野茶」「知覧茶」を、産地ごとに飲み比べてみました。お茶とよく合う和菓子レシピもご紹介しています。

















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