まき網漁で水揚げされた天然の魚を使って長崎県松浦発「胡麻さば」「真あじの醤油漬け」「天然ぶり丼」を製造する長崎県松浦市のエンマキを訪れたさて子さんとエシカル王子。
現地で働くまもるさんにおいしさの秘密を教えてもらううちに、日本の漁業の話題へ。漁業関係者が食卓の魚離れに取り組んでいる一方で、漁獲量は年々減少しているそうです。
- お買い物のちょっと前「海鮮漬け丼」INDEX
- (前編) 日本の漁業を支える、まき網漁とは?
- (後編) 日本のおいしい魚をもっと食卓に←今回はここ
実は、東シナ海のまき網漁業の漁獲量も減ってきているんです。
実は、東シナ海のまき網漁業の漁獲量も減ってきているんです。
例えば、ピーク時の平成8年度には年間漁獲量が福岡ドーム約300杯分あったのに、平成25年度にはその1/3まで落ち込んでいます。船団数もピーク時に比べると今では約半数です。
例えば、ピーク時の平成8年度には年間漁獲量が福岡ドーム約300杯分あったのに、平成25年度にはその1/3まで落ち込んでいます。船団数もピーク時に比べると今では約半数です。
どうしてそんなに減っているの?
どうしてそんなに減っているの?
まき網漁業に関しては、3つの課題が考えられています。一つ目は、外国船との競合です。私たちの漁場は、対馬沖から五島沖、東シナ海の方にもあるのですが、水産資源の奪い合いになっています。
まき網漁業に関しては、3つの課題が考えられています。一つ目は、外国漁船との競合です。私たちの漁場は、対馬沖から五島沖、東シナ海の方にもあるのですが、水産資源の奪い合いになっています。
それは深刻ね。この問題にどう取り組んだらいいんだろう?
それは深刻ね。この問題にどう取り組んだらいいんだろう?
現状では、外国船の操業実態を把握して、民間レベルで話し合うことがまず大事ですね。海は一つなので、共同資源として管理していく関係を構築しないと。
現状では、外国船の操業実態を把握して、民間レベルで話し合うことがまず大事ですね。海は一つなので、共同資源として管理していく関係を構築しないと。
なるほど。SDGsの14にある「海の豊かさを守ろう」という目標にもかかってきそうね。
なるほど。SDGsの14にある「海の豊かさを守ろう」という目標にもかかってきそうね。
そうです。国を超えて同じ目標に向けて一丸となることが何より大切なんです。
そうです。国を超えて同じ目標に向けて一丸となることが何より大切なんです。
さらに、もう一つの課題が「燃油価格の高騰」です。ここ10年で燃料の油の価格は倍増していて、操船業者にとっては頭が痛い問題です。今は、国からの補助や船団での共同購入のほか、省エネ運行も推進しています。
さらに、もう一つの課題が「燃油価格の高騰」です。ここ10年で燃料の油の価格は倍増していて、操船業者にとっては頭が痛い問題です。今は、国からの補助や船団での共同購入のほか、省エネ運行も推進しています。
燃料の油だけではなくて、船をつくる時の材料も価格が上がっているんだよね。
燃料の油だけではなくて、船をつくる時の材料も価格が上がっているんだよね。
その通り。船をつくるための資材も高騰しているから、「船舶の高船歳化」にもつながっているんです。
その通り。船をつくるための資材も高騰しているから、「船舶の高船歳化」にもつながっているんです。
「船舶の高船歳化」って?
「船舶の高船歳化」って?
簡単に言うと、船の高齢化です。まき網漁は複数の船にレーダーなどの機器を備えるため、設備投資費がかなりかかっています。でも、資材費が高くなってしまうと、投資を増やして新しい船を建造することが難しくなります。
簡単に言うと、船の高齢化です。まき網漁は複数の船にレーダーなどの機器を備えるため、設備投資費がかなりかかっています。でも、資材費が高くなってしまうと、投資を増やして新しい船を建造することが難しくなります。
なるほど。世の中の動きも影響しているのね。
なるほど。世の中の動きも影響しているのね。
そうなんです。漁に関しても、この先ずっと継続できるような対策を考えています。漁獲・水揚げ状況が十分な月は、わざと漁をお休みする日を作ったり、獲りすぎても新鮮なまま保存できる設備を作ったり…。
そうなんです。漁に関しても、この先ずっと継続できるような対策を考えています。漁獲・水揚げ状況が十分な月は、わざと漁をお休みする日を作ったり、獲りすぎても新鮮なまま保存できる設備を作ったり…。
たくさん獲れることはいいことなんじゃないの?
たくさん獲れることはいいことなんじゃないの?
たくさん獲れるからと一気に獲り尽くしてしまうと、その後はお魚がいなくなってしまう。安定供給が続けられなくなってしまうんです。
たくさん獲れるからと一気に獲り尽くしてしまうと、その後はお魚がいなくなってしまう。安定供給が続けられなくなってしまうんです。
しかも一時的にお魚の値段が下がって、余ってしまうことも。そうなると、松浦港のお魚への信頼を失ってしまうし、漁師さんの収入が下がっています。
しかも一時的にお魚の値段が下がって、余ってしまうことも。そうなると、松浦港のお魚への信頼を失ってしまうし、漁師さんの収入が下がっています。
漁業を長く続けるには、漁獲量を調整する必要もあるのね。
漁業を長く続けるには、漁獲量を調整する必要もあるのね。
上質なお魚はそれに見合った価格で買ってもらえることも大事なんですよ。
上質なお魚はそれに見合った価格で買ってもらえることも大事なんですよ。
- 魚を冷やすための氷の生産
- 密閉型で空調設備のある「おさかなドーム」で出荷前の管理
- 漁獲~市場~小売店までの魚の温度変化の調査
- あじ、さばのブランド化
- 「旬あじ(ときあじ)」「旬さば(ときさば)」の開発
4月〜8月にかけて五島海域
から対馬海峡で漁獲される
1尾100g以上のまあじ
10月〜翌年2月にかけて五島
海域から対馬海峡で漁獲さ
れる1尾400g以上のまさば
「旬さば」は、「胡麻さば」にも使われているんだって!
「旬さば」は、「胡麻さば」にも使われているんだって!
私たち消費者にできることはあるのかしら?
私たち消費者にできることはあるのかしら?
やっぱり、魚離れを食い止めるためにも、できるだけ国産や地場の魚を食べていただきたいですね。
やっぱり、魚離れを食い止めるためにも、できるだけ国産や地場の魚を食べていただきたいですね。
ちなみに、国産の水産物は「国内産」「〇〇県産」と記載されています。お買い物の時は産地をよく確認してみてくださいね。国内のさまざまな産地やメーカーの加工品を食べて頂くことで、日本の水産業を幅広く応援することにつながるんですよ。
ちなみに、国産の水産物は「国内産」「〇〇県産」と記載されています。お買い物の時は産地をよく確認してみてくださいね。国内のさまざまな産地やメーカーの加工品を食べて頂くことで、日本の水産業を幅広く応援することにつながるんですよ。
エンマキさんでは、旬あじや旬さばの試食イベントも開催されているよね。
エンマキさんでは、旬あじや旬さばの試食イベントも開催されているよね。
はい!生協組合員のみなさんを水揚げ基地の松浦市へ招いて見学や試食を行う「組合員交流会」をはじめ、近隣地域のみなさんにご参加いただけるような「松浦おさかな祭り」、「佐世保加工振興祭」、「福岡農林水産祭」、あとはデパートの催事などにも参加しています。また、食卓のニーズに合わせた商品開発も行っています。
はい!生協組合員のみなさんを水揚げ基地の松浦市へ招いて見学や試食を行う「組合員交流会」をはじめ、近隣地域のみなさんにご参加いただけるような「松浦おさかな祭り」、「佐世保加工振興祭」、「福岡農林水産祭」、あとはデパートの催事などにも参加しています。また、食卓のニーズに合わせた商品開発も行っています。
※2020年度の予定は検討中です。詳しくはウェブサイトでご確認ください。
▲コープweb「くみかつ日誌」より
わ〜!さて太郎も連れて行ってみたいわ!
わ〜!さて太郎も連れて行ってみたいわ!
水産資源、特に天然のお魚は安定供給が厳しい部分もありますが、少しでも新鮮なものを消費者のみなさんへ届けたいと品質向上への取り組みや開発を続けています。
水産資源、特に天然のお魚は安定供給が厳しい部分もありますが、少しでも新鮮なものを消費者のみなさんへ届けたいと品質向上への取り組みや開発を続けています。
その思いが詰まった「真あじの醤油漬け」「胡麻さば」「天然ぶり丼」をお試しいただけるとうれしいですね。
その思いが詰まった「真あじの醤油漬け」「胡麻さば」「天然ぶり丼」をお試しいただけるとうれしいですね。
ちなみに、まもるさんのおすすめの食べ方は?
ちなみに、まもるさんのおすすめの食べ方は?
私は、やっぱりあったかいご飯にのせただけの丼ですね。好みの醤油をかけて、ワサビや刻みネギを加えています。あとは、そのままでお酒のアテにも…。
私は、やっぱりあったかいご飯にのせただけの丼ですね。好みの醤油をかけて、ワサビや刻みネギを加えています。あとは、そのままでお酒のアテにも…。
お!まもるさんもいけるクチですね〜。今夜の献立は決まりね。早速今日からおいしいお魚を食べるぞ〜!
お!まもるさんもいけるクチですね〜。今夜の献立は決まりね。早速今日からおいしいお魚を食べるぞ〜!
僕も家族のみんなに作ってあ〜げよっと!
僕も家族のみんなに作ってあ〜げよっと!
暑くなってくると火を使う料理をついつい敬遠しちゃうので、さて子さんの気持ち、よくわかります。この海鮮漬け丼シリーズは冷凍だからいつでも好きな時に解凍すればいいし、準備も簡単。忙しい人のニーズに合わせて、よく考えられた商品ですよね。
今、松浦港では、新型コロナウイルスの影響で水産物の動きが滞っており、魚を保管している冷凍庫が一杯で水揚げができない状況が続いているそうです。それに協力するためにも、私も日頃からお魚をどんどん食べようと思います。
(SATETO編集部 大内)
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