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大分・臼杵は、九州一の醤油・味噌のまち
フンドーキン醤油の本社と工場があるのは、大分県の中南部に位置する臼杵市です。海も山もある豊かな自然の中に国宝・臼杵大仏や武家屋敷が残る城下町です。
人口は3万2,000人ほどで一見のんびりしている町なのですが、醤油・味噌の生産量はなんと九州一。市内には3社の醤油メーカーが存在しているのです。
また県内の大小メーカーが集まって醤油を製造する協業組合も臼杵市内に2カ所あり、複数の協業組合があるのは全国でも大分県だけ。醸造パワーに満ち溢れたまちなのです。
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フンドーキン醤油では、高さ9m、直径9mの世界一の木樽で300年前の醤油を再現。醸造家の技と知恵が集積した醤油づくりをおこなっています。
ではなぜ、臼杵市が醸造のまちになったのでしょうか? そのきっかけは江戸時代初期まで歴史をさかのぼります。
フンドーキン醤油の筒井真也さんにお聞きすると、「戦国時代の臼杵を治めていたのは、キリシタン大名の大友宗麟でした。しかし、徐々に衰退してしまい、美濃(岐阜県)から稲葉典道が入国します。その時、一緒に醸造職人を連れてきて、臼杵の人々にも新しい技術を伝えたそうです。1600年のことだと伝えられています」。その時できた醤油・味噌屋さんは現在も「カニ醤油」という屋号で臼杵のまちに残っています。
フンドーキン醤油のはじまりは、1861年(文久元年)のこと。1856年(安政2年)、農業を営んでいた小手川角三郎が、臼杵のまちで酒造業(現在の小手川酒造)をはじめました。
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『小手川商店』は臼杵市のメインストリート八町大路にあります。昔のままの佇まいでタイムスリップ気分に。
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当時の建物で臼杵郷土料理を味わえる『小手川商店』。魚とおからを合わせた「きらすまめし」、パエリアを模したと言われる「黄飯」などがズラリ。ごちそうさまでした!
今も昔も、酒造りは年に1回。そのため小手川酒造で「麹室(こうじむろ)」を使う時期は半年ほどで、それ以外はいつも空いていたそうです。「ならば醤油や味噌をつくってみようか」と新たなる挑戦が始まりました。
そして小手川酒造二代目小手川角三郎の弟、金次郎さんが分家後、完成した醤油や味噌の販売を行う店舗を『小手川商店』の名前で創業。これがフンドーキン醤油の原点です。
「ちなみにフンドーキン醤油の社名は、かつて醤油や味噌を量り売りする時につかった『分銅』に金次郎さんの『金』をかけ合わせたものです。『分銅』のかたちはロゴマークのデザインにもなっています」と筒井さんが教えてくれました。今も大事に使われているロゴマーク。今度出会った時にじっくり眺めてみてください。
未来を見つめて、「醤油屋ならではのドレッシングをつくる!」
江戸時代から続く醤油・味噌づくりの老舗、フンドーキン醤油が、ドレッシングの製造に着手したのは1980年代中頃のこと。醤油や味噌の生産量がいつか頭打ちになるかもしれないと未来を見据え、また、「醤油製造会社ならではのドレッシングをつくりたい!」との思いが高まった時でした。
今では信じられませんが、当時のドレッシングは洋風一辺倒。醤油を使ったものや、和風食材を取り入れたものは、ほとんどなかったのです。
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(左より)フンドーキン醤油の筒井さん、コープ九州事業連合の佐々木さん、上田さん、三戸さん、フンドーキン醤油 ドレッシング工場の石橋工場長
「そんな中で、フンドーキン醤油のドレッシング試食品を食べたコープ組合員さんたちが『とってもおいしい!』『コープでも取り扱ってほしい!』という声をあげてくださって、CO・OP 和風ドレッシングの前身となるドレッシングの供給が、大分県民生協(当時)のみでスタートしたんですよ」と筒井さん。
さらに1988年、そのドレッシングは九州地区限定のコープ商品CO・OP和風ドレッシングとなり、やがてそのおいしさで全国に広がり、全国版としてCO・OP野菜たっぷり和風ドレッシングが発売されました。 和風ドレッシングの前身となるドレッシングの供給が、大分県民生協(当時)のみでスタートしたんですよ」と筒井さん。
フンドーキン醤油とコープ組合員さんの深いつながり
そんな歴史を聞いていると、フンドーキン醤油と臼杵のコープ組合員さんの距離感はとても近く、絆のようなものさえ感じられます。
筒井さんも「そうですね。臼杵のコープはもともと地元の造船会社から生まれた生協で、1952年末に5坪ほどの小さなお店から始まりました。しかし、創生期の1954年に火事などの不運が続いて、経営が立ち行かなくなったのです。 困り果てている時、『小手川醤油(現・フンドーキン醤油)』の2代目社長、小手川金次郎は『生協を潰すまい』と動き、臼杵生協に対する債権などをすべて放棄したのです。小手川醤油も工場火災に遭って金策に苦労していたタイミングであったのですが。その時からのつながりが、ありがたいことにずっと続いているのかもしれません」と教えてくださいました。
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1965年の初荷の様子。車がにぎやかな隊列を組む写真が残っていました。
また、二代目金次郎さんの孫にあたる小手川強二さん(現・フンドーキン醤油会長)は、少年時代、生協婦人部の組合員さんのことを「にぎやかなおばさんたち」と親しみを込めて呼んでいました。
そんな組合員さんたちが、ある日、『小手川醤油』にやってきて、「臼杵の生協で扱っている味噌には防腐剤(ソルビン酸)を入れないでほしい」と訴えたそうです。そこから研究を重ね、日本酒に使われる醸造アルコール(酒精)を加えた、発酵を抑えられる味噌を開発。この味噌もまた「CO・OP純生みそ」「CO・OP 米麦あわせみそ」などへと発展していきました。
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こちらがアルコールで発酵を抑えた味噌「CO・OP純生みそ」。それまで防腐剤で発酵を抑えていましたが、組合員さんの声に応えて防腐剤無添加を目指しました。フンドーキン醤油が開発した技術です。
「組合員さんの声に応える。それを真摯に続けてきたおかげで、フンドーキン醤油は成長することができたのです」と筒井さん。そして、醸造アルコールを味噌に加える技術で特許をとることもなく、惜しまずに全国のメーカーに広めたため、今、こうして私たちは防腐剤なしの味噌を食べられるようになりました。
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臼杵川河口の中洲にあるフンドーキンの本社と味噌工場(1955年頃)。
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フンドーキンの本社と味噌工場は今も変わらない場所にあります。
ちなみにCO・OP 和風ドレッシングのエピソードも残っています。九州各地で人気になったCO・OP 和風ドレッシングについて、組合員さんからの「油が多いので、もっと油を減らしてほしい」の声が増えてきました。
そこで油の量を半分にして発売したところ、暑さが厳しい夏にドレッシングが発泡する事故が多発。コープからは「供給中止!」ときっぱり言われたのですが、しばらくして九州の組合員さんたちから「早く販売してほしい」「あのドレッシングじゃないと子どもが野菜を食べない」の声をいただきました。
その後、品質管理の徹底とスペックの変更を条件に、またコープのドレッシングをつくることができるようになったのです。
ドレッシング工場長が教えてくれた、フンドーキン醤油とコープのつながりは?
組合員さんの声に耳を傾けながら、さまざまな開発や改善を続けてきたフンドーキン醤油。その現場を長年支えてきたドレッシング工場の石橋厚成工場長にも、コープとのつながりをお聞きしました。
Q.ドレッシングの製造で、コープ商品が占める割合は?
ドレッシング製造量の半分以上(50数%)がコープ商品です。カタログの企画に合わせながら、4つのラインで計画的に製造しています。でもたまに、注文が入りすぎて足りない!という時もあります。私たちもコープへの思いは強いので、うれしい悲鳴を上げながら追加生産をしています。

Q.コープの組合員さんとの思い出は?
1988年のドレッシング発売以来、30年間、同じボトルを使っていました。小さなタテ長の注ぎ口で、そこに野菜が詰まることもありました。そこで2018年にボトル、キャップ、シュリンクのすべてをリニューアルすることに。それにともないラインもすべて新設したのです。組合員さんもたくさん意見を出してくださって、組合員さんと一緒にリニューアルを成し遂げることができました。大変でしたが忘れられない思い出です。

Q. CO・OP 野菜たっぷり和風ドレッシングは、発売以来、変わらない味なのですか?
基本の味は変えずに、組合員さんにいつも「おいしい!」と言っていただける味を追求しています。ただドレッシングは嗜好品であるため、味にトレンドがあるんですよ。最近は、酸味を抑えたまろやかなテイストが人気です。そのためCO・OP 野菜たっぷり和風ドレッシングなど定番のコープ商品も、少しずつ酸味を抑えるなど、時代に合ったマイナーチェンジをしています。

Q.最後に組合員さんにメッセージをお願いします!
原料にこだわって、いつも変わらない味で、安定したおいしさのドレッシングをお届けしたいです。自分たちで食べてもおいしいと思いますので、遠慮せずにジャブジャブたくさんかけて味わってくださったらうれしいです!

今回の訪問で教えていただいた、臼杵の組合員さんとフンドーキン醤油の深いつながり。
今、日常的に食べているドレッシングが、臼杵のコープ組合員さんのお気に入りとしてコープ商品になり、全国に広がったことにあらためて驚いてしまいました。
また、組合員さんの声に耳を傾けることで、さらにおいしく安全安心なドレッシングや味噌が生み出され、全国に広まっていったことを実感できましたし、それは昔も今も変わらない“コープらしさ“なのだと思います。これからもフンドーキン醤油にたくさんの組合員さんの声が届き、いっそうおいしいコープ商品をつくってくださることを楽しみにしています。
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