花や草木が芽吹く時期になると、店頭に並ぶたくさんの「春野菜」。たけのこ、タラの芽、春キャベツ、新玉ねぎなどを見ると「春が来たなぁ♪」とワクワクします。今回はこの時期しか味わえない、春の味覚を存分に楽しむための活用術やレシピをご紹介。ぜひ食卓から春を感じてみませんか。
毎年春が来るのを楽しみにしているという料理家のコンドオミユキさんに、
春野菜の特徴やおすすめ料理方法、保存法を教えてもらいました。
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野菜をたっぷり使った料理や、
アレンジしやすい
オリジナルメニューがお得意です。
野菜をたっぷり使った料理や、
アレンジしやすい
オリジナルメニューがお得意です。
特 徴
巻きがふっくらとして冬玉よりも軽く、葉が柔らかい。
食べ方 & 扱い方
水分量が多くてみずみずしいので、フレッシュ感を味わうならサラダがピッタリ!手でちぎると生き生きとした食感が楽しめます。強火でサッと加熱して水分を閉じ込めたり、反対にじっくりと弱火で水分を引き出します。
保存方法
芯の部分に切り込みを入れて成長を抑え、濡れた新聞紙に包んで冷蔵庫へ。
特 徴
甘みが強く、水分をしっかり含んでいてみずみずしい。
食べ方 & 扱い方
年中出回っている玉ねぎよりも辛みが少ないとはいえ、やはりそれなりにあります。水にさらすと栄養やフレッシュさが失われるため、生食する時は、塩を軽く振って少し置きましょう。みじん切りは水っぽくなりやすいので、料理によって玉ねぎの使い分けを。
保存方法
冷蔵庫よりも風通しのよい冷暗所で保管し、2〜3日くらいで食べきるのが理想です。
特 徴
小ぶりなものが多く皮が薄い。水分量が多いので、加熱した際のホクホク感や甘みが楽しめます。
食べ方 & 扱い方
じゃがバターや揚げ煮など、丸ごと調理して味わうのがオススメです。
保存方法
新聞紙などに包んで冷暗所に保存を。低温に弱いので冷蔵庫は避けましょう。
特 徴
鮮度が命の食材で、部位によって柔らかさに違いがある。
食べ方 & 扱い方
土佐煮や炊き込みご飯はもちろん、味わいが淡泊なので、薬味や調味料を上手に使えば、グリルや炒め物にもよく合います。
保存方法
時間が経つほどえぐみが増すので、丸ごと手に入れたら早めに下ゆでします。タッパーなどの密閉容器を使って水に浸したら、冷蔵庫で保存を。毎日水を入れ替えれば約1週間は日持ちします。
特 徴
サヤごと食べられるほど柔らかい。
食べ方 & 扱い方
側面の筋を取ってから調理します。炒め物にも、サッと湯通ししてサラダに入れてもOK。茹でる際は沸騰した湯に多めの塩を入れ、色が鮮やかに変わったらすぐに上げて、ザルの上で冷まします(1〜2分)。
保存方法
ビニール袋などに入れて冷蔵庫へ。
特 徴
わずかな苦みのなかにも甘みが感じられ、筋が少なく柔らかい。
食べ方 & 扱い方
切って茹でる時は、皮の固い根元部分をピーラーで剥きます。1本丸ごと茹でる場合は、根元部分の固い皮を剥き、先に10秒ほど湯につけてから全体を茹でましょう。
保存方法
新聞紙などで包み、冷蔵庫で立てて保存します。横にすると、成長しようと穂先が起き上がり鮮度が落ちてしまいます。
特 徴
アクが強く独特の苦みが特徴。食べ過ぎると吹き出物の原因になるので注意しましょう。
食べ方 & 扱い方
天ぷらにしたり、サッと茹でて和え物にしたり、シンプルな料理法が合います。
保存方法
新聞紙などに包んで冷暗所で保管します。
春になると食べたくなる「たけのこご飯」を、トマトと一緒に炊いて洋風仕立てにアレンジ。春セロリを最後に加えることで、ちょっぴり大人の味覚が楽しめます。
材料(4人分)
下準備
・たけのこは小さめの乱切り、セロリの葉の部分は粗みじん、茎は薄くスライスする。ベーコンは1cm幅にカット、トマト水煮は粗くカットしておく
作り方
1. 米を研いで20~30分水に浸し、ザルにあげておく
2. 炊飯器にセロリ以外の材料を全て 入れて、2合の目盛りに合わせて水を入れ、通常通りに炊く
3. 炊き上がったらセロリを加え、10 分ほど蒸らす
4. ローリエを出して、ざっくりと混ぜ合わせる
味付けは、にんにく&生姜の香味野菜と塩こしょうのみというシンプルさ。野菜から出た水分だけで煮込んだ奥深い味わいに、春野菜ってこんなに美味しかったんだ!と眼から鱗の一品です。
材料(4人分)
下準備
・キャベツは手でちぎり、しめじは石づきを取ってほぐす。アスパラガスは2~3cmにカット、新玉ねぎはくし切りに、トマトはヘタを取って半分に切っておく
作り方
1. ボウルにすべての野菜を入れ、塩を全体に混ぜ合わせて15分ほど置く
2. オリーブオイルをひいた厚手の鍋に、2を野菜から出た水分ごと入れ、黒こしょうを加え、蓋をして弱火で加熱する
3. 30分ほど加熱して全体に火が通ったら、最後にざっと混ぜる
シャキシャキの春野菜とお肉の旨味が絶妙で、いつまでも食べ続けられそうなサラダ。生姜とにんにくが効いた、ひき肉ドレッシングをたっぷり絡めて召し上がれ。
材料(4人分)
下準備
・(A)を合わせておく
・新玉ねぎは薄くスライスして塩を軽く振る。キャベツは手でちぎり、にんじんはせん切り、スナップエンドウは筋を取り、じゃがいもは繊維に沿って縦に千切りする
作り方
1. 鍋にたっぷりの湯を沸かし、塩を加えて沸騰したら、スナップエンドウを茹でてザルに上げ冷ましておく
2. 1の湯にじゃがいもを入れ、すぐに 湯から上げて冷水にとって水を切る
3. すべての野菜を器に盛り付ける
4. フライパンにオリーブオイルをひいてにんにくと生姜を炒め、ひき肉を加えて火が通ったら(A)の合わせダレを加えて混ぜ合わせる
5. 4を野菜全体に回しかけ、お好みでレモンを絞っていただく
春野菜のおいしさを知ったのは大人になってから。新玉ねぎのスライスサラダは定番で、新じゃがいもはゴロリ1個皮ごと揚げる、スナップエンドウはシャキシャキのままパクリ。特にタラの芽の天ぷらは、塩を少しつけて苦みを味わうことが、贅沢だと思うほど。今回それぞれの活用法を知ったので、今年も春野菜を存分に味わいたいと思います!
(SATETO編集部 佐藤)
監修:料理家コンドオミユキさん
イートプランナーとして、レシピ制作や食品撮影スタイリング、器のコーディネイト等を中心に活動。イラストレーター、美容家としての一面も持ち、「食」と「美」を中心とした「暮らしを楽しむ提案」を発信している。