NPO法人ママプラグ理事 アクティブ防災事業代表
冨川万美さん
東日本大震災後に被災母子支援を行ったことをきっかけに、防災事業を中心とした『NPO法人ママプラグ』を設立。『全災害対応! 子連れ防災BOOK』(祥伝社)・『被災ママに学ぶちいさな防災のアイディア40』(Gakken)などの多数の防災に関する本の出版に携わる。自ら考えて動く「アクティブ防災」を提唱し、全国で防災講座を展開するほか、「防災ピクニック」を広める活動に尽力している。
NPO法人ママプラグ理事 アクティブ防災事業代表
冨川万美さん
東日本大震災後に被災母子支援を行ったことをきっかけに、防災事業を中心とした『NPO法人ママプラグ』を設立。『全災害対応! 子連れ防災BOOK』(祥伝社)・『被災ママに学ぶちいさな防災のアイディア40』(Gakken)など多数の防災に関する本の出版に携わる。自ら考えて動く「アクティブ防災」を提唱し、全国で防災講座を展開するほか、「防災ピクニック」を広める活動に尽力している。
寝ている時が1番無防備なので、とっさの行動がとりにくく、逃げるのにも時間がかかってしまいます。さらに、地震の場合は睡眠時に家具で圧死や怪我をされた方が多いのも事実。防災対策のポイントとしては、横になった時の頭上にものがない状態にしておくこと。そして、窓が割れてガラスが飛び散っても動けるよう、ルームシューズをベットサイドに置いておくと便利です。寝室だけでも安全なスペースにしておけば、キッチンやリビングが壊滅的な状態になったとしても寝室を家の中の避難場所として活用することもできますよ。
実際に震災による停電を経験された方に話を伺うと、「揺れはもちろん、暗闇で光がないことが本当に恐ろしかった」という声が多く上がっています。
停電が起こった時、明かりは手元を照らすだけではなく、精神的な安心材料にもなります。懐中電灯やランタン、人感センサーライト、手回しライトなどをいくつか用意して、寝室やリビング、洗面所など定位置を決めて置いておくようにしましょう。ガーデニング用品として販売されている電池要らずの「ソーラーガーデンライト」も意外と便利。明かりは、あればあるほど安心です。
何度も使い回すことができるシリコン素材のお皿やコップは、折りたたむこともできるので収納しやすくて便利。ただ、災害時は水が使えないことも多いので、ウェットティッシュなど使用済みの食器を拭き取るためのアイテムも合わせて備えておきましょう。
急病や怪我に備えて「ファーストエイドキット」を備えておくことをおすすめします。消毒液や絆創膏はもちろん、体温計、アルコール綿、包帯などもあるといいでしょう。また、常備薬は災害時には手に入らないことが多いので、多めに処方してもらっておくと安心です。
地震や洪水などの災害が発生すると、トイレが使用できなくなることも。非常用トイレは自宅用と車での外出用でそれぞれ備えておくことが避難生活を乗り切るカギになります。災害時のトイレ問題は想像以上に深刻で、特に仮設トイレなどの場合は汚物の臭いがひどく、大人は何とか耐えられたとしても、子どもは「列に並んでいたけど、途中で帰って来てしまった」「待ち時間が長く、漏らしてしまった」という事例も多く報告されています。子どもにこそ、非常用トイレが役立ちますが、様々な形状のものが販売されているので、事前に試してみてから備えることをおすすめします。ポンチョなど目隠しになるものや、消臭袋を一緒に備えておくとより安心です。
実際に体験談としても多いのが、「避難中に、生理になってしまった」という声。災害時のストレスによって、予定していない生理になることもあります。生理用ナプキンやおりものシート、サニタリーショーツは支援物資としてもなかなか手に入りにくいので、日頃から必要な量の倍の買い置きをしておくようにしましょう。
災害時に重要なのは「情報を得る」こと。『防災速報』や無料でラジオが聴けるサービス、全国避難所ガイドやライフハック系のアプリも役に立つので、時間がある時にまとめてダウンロードしておくようにしましょう。そのほか、母子手帳やお薬手帳をデータで管理できるアプリもあります。避難先でいざ体調不良になった時、スマホさえあれば受診することができるので、ダウンロードして情報を入力しておくことをおすすめします。
情報収集や安否確認など、今やスマホは命綱ともいえるツール。充電切れや停電時に備えて、モバイルバッテリーはスマホの数だけ用意しておきましょう。乾電池式や、充電式、ソーラーチャージなど使いやすいものを選んで、常に持ち歩くのがポイント。車の中にはシガーソケット充電器を置いておくと便利です。
車中泊はあまり推奨しませんが、小さな子どもさんがいる場合、避難所で過ごすのは本当に大変です。そんな時、車を一時的に避難所代わりにしたり、安全な場所に移動させて仮眠を取ったりすることができます。マイカーを持っている人は車の中に、非常用トイレや体ふきシート、非常食、水を積んでおくと安心です。ただし、車内は温度が高くなるので、こまめな見直しが必要です。
「TSUKURO」には、実際に被災された方からの投稿もあり、とても参考になりました。私なりに少しは備えていたつもりでしたが、率直に「まだまだ足りないんだな」と感じました。どれも普段の生活の中ですぐに取りかかれそうなものばかりなので、少しずつ備えていこうと思います。
(SATETO編集部 寺尾)