

足をくねらせながら踊るタコにヒップホップ調の歌詞が個性を放つ「CO・OP 梅酢たこ」編や、アイドルのような軽やかさとキャッチーでリズミカルな「CO・OP ミックスビーンズ ドライパック」編。ついつい惹きつけられてしまう不思議な魅力が詰まったコープ九州発のテレビCMが、にわかに注目を集めています。出演するタコの表情や豆の動きなどユーモラスな出来栄えですが、仕上がるまでは地道な作業の連続だったとか……。このたびSATETOではオンエアにさきがけ、それぞれのCM制作の裏話を2話に分けてご紹介します!


▲ 自称「タコ担当」(?)の、コープ九州 機関運営・広報部担当の大当さん
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まずは他己(タコ)紹介から(笑)……。
CMをご覧になる方にとって、タコの名前があってもなくてもあまり関係あり
ませんが、僕が勝手に「梅酢太郎」と名付けさせていただきました。ちなみに
梅酢太郎は本番用。リハーサル用に用意されたもう一体のタコは「梅酢次郎」
と言います。
注目されているのは太郎ばかりですが、次郎も陰の立役者。
とはいえ比べてみると、やはり太郎のほうがいい顔してますね(笑)まずは他己(タコ)紹介から(笑)……。
CMをご覧になる方にとって、タコの名前があってもなくてもあまり関係ありませんが、僕が勝手に「梅酢太郎」と名付けさせていただきました。ちなみに梅酢太郎は本番用。リハーサル用に用意されたもう一体のタコは「梅酢次郎」と言います。注目されているのは太郎ばかりですが、次郎も陰の立役者。とはいえ比べてみると、やはり太郎のほうがいい顔してますね(笑)


▲ 左がリハーサル用の次郎で、右が本番用の太郎。言われてみれば、たしかに太郎のほうが役者映えしそうな顔してます


▲ 吊り下げられた梅酢太郎の動きを指示する制作スタッフ(左)
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梅酢太郎の素材はシリコンです。本物のボイルダコのような触り心地で、
かじってみたくなるほど。8本の足には針金が入っていて、自由自在に足を
くねらせることができます。撮影は、この8本の足を数センチずつ細かく動か
しながらのコマ撮りでしたが、つなぎ合わせてスムーズな動きを演出するため
には、1秒あたり2〜30枚のカットが必要です。このCMは15秒なので、単純計
算で300〜400カット。恐ろしく気の遠くなるような作業の連続でした。梅酢太郎の素材はシリコンです。本物のボイルダコのような触り心地で、かじってみたくなるほど。8本の足には針金が入っていて、自由自在に足をくねらせることができます。撮影は、この8本の足を数センチずつ細かく動かしながらのコマ撮りでしたが、つなぎ合わせてスムーズな動きを演出するためには、1秒あたり2〜30枚のカットが必要です。このCMは15秒なので、単純計算で300〜400カット。恐ろしく気の遠くなるような作業の連続でした。


▲ タコの動きは事前に作成された絵コンテをもとに忠実に再現


▲ CM撮影中の大変エピソードを話す大当さん。でも結構楽しそうです
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コマ撮りって、静止物を少しずつ動かしながら撮るから、途中で位置がズレた
りしたらもう一度最初からやり直しなんです。CM終盤の、料理のお皿が回っ
ているカットでは、最後の最後につまようじがぱたっと倒れまして……。
スタジオ中に悲鳴が響きわたった瞬間でした。
CMの見せ場「チョリース」のポーズも、何通りか撮影して一番良いものをセ
レクト。太郎の肌に付いた、目に見えないような糸くずにも最新の注意を払い
ながら、撮影時間はトータルで15時間以上。もはや時間と根気とのたたかいで
す。監督や制作の方々には感服ですね。コマ撮りって、静止物を少しずつ動かしながら撮るから、途中で位置がズレたりしたらもう一度最初からやり直しなんです。CM終盤の、料理のお皿が回っているカットでは、最後の最後につまようじがぱたっと倒れまして……。スタジオ中に悲鳴が響きわたった瞬間でした。
CMの見せ場「チョリース」のポーズも、何通りか撮影して一番良いものをセレクト。太郎の肌に付いた、目に見えないような糸くずにも最新の注意を払いながら、撮影時間はトータルで15時間以上。もはや時間と根気とのたたかいです。監督や制作の方々には感服ですね。


▲ 特に大変だったという、分度器で測りながらお皿を回転させるコマ撮りの様子


▲ CM一番の見どころ、「チョリース」のポーズ
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なんだか苦労話ばかりになってしまいました(笑)。
時間をかけて撮ったタコのなめらかな動きもですが、もうひとつの見どころは
太郎のラップ。体をくねらせながら「梅酢たこッス/酢のものなんかマジちょ
ろいッス♪」と、やる気なさそうに歌う、その歌詞にもぜひ注目して欲しい
です。
ちなみに梅酢太郎、普段はコープ九州の受付に鎮座していますが、今後は各地
のコープイベントなどにも出演(?)する予定です。どこかでお目にかかった
際は、大活躍の人気者をぜひひと撫でしてあげてくださいね。なんだか苦労話ばかりになってしまいました(笑)。
時間をかけて撮ったタコのなめらかな動きも見せ場ですが、もうひとつの見どころは太郎のラップ。体をくねらせながら「梅酢たこッス/酢のものなんかマジちょろいッス♪」と、やる気なさそうに歌う、その歌詞にもぜひ注目して欲しいです。
ちなみに梅酢太郎、普段はコープ九州の受付に鎮座していますが、今後は各地のコープイベントなどにも出演(?)する予定です。どこかでお目にかかった際は、大活躍の人気者をぜひひと撫でしてあげてくださいね。


▲ 「まさか僕がタコ担当になるとは思ってませんでしたねえ」と言いながら、その眼差しはまるでわが子を見守る父親のよう


▲ コープ九州 食品商品部の後藤さんは、「ミックスビーンズ ドライパック」等の商品を担当しています
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CMのなかで踊っているのは、もちろん本物の豆です。数ある豆の中から、色
やかたちを吟味した、見栄えの良い“美人な”お豆たちを使っています。CM
になるとほとんど分からないのがもったいないくらいです。見栄えは良くても、
長時間の撮影では乾燥してひび割れたりシワが入ったりしますので、乾燥を防
ぐために、ニスでコーティングしています。CMのなかで踊っているのは、もちろん本物の豆です。数ある豆の中から、色やかたちを吟味した、見栄えの良い“美人な”お豆たちを使っています。CMになるとほとんど分からないのがもったいないくらいです。見栄えは良くても、長時間の撮影では乾燥してひび割れたりシワが入ったりしますので、乾燥を防ぐために、ニスでコーティングしています。


▲ たしかに…一時停止してよく見ると(普通、そんなことはしませんが)色ツヤやかたちがきれいですね
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なんといってもこのCMのハイライトは豆のダンスです。あのしなやかな動きは、
豆をちょっとずつ動かしながら撮影し、パラパラ漫画のようにつなぎ合わせる
“コマ撮り”で撮影したものです。より効率良く、よりなめらかな動きを出せ
るよう、豆を透明の糸で数珠のようにつないで組み合わせる工夫をしています
。撮影は、人間のダンサーが踊る画像をコマ送りしながら、それを豆で忠実に
再現しました。動きがズレてしまうとはじめから撮り直しになるので正確性が
問われますし、なんといっても時間と集中力、忍耐力との勝負です。なんといってもこのCMのハイライトは豆のダンスです。あのしなやかな動きは、豆をちょっとずつ動かしながら撮影し、パラパラ漫画のようにつなぎ合わせる“コマ撮り”で撮影したものです。より効率良く、よりなめらかな動きを出せるよう、豆を透明の糸で数珠のようにつないで組み合わせる工夫をしています。撮影は、人間のダンサーが踊る画像をコマ送りしながら、それを豆で忠実に再現しました。動きがズレてしまうとはじめから撮り直しになるので正確性が問われますし、なんといっても時間と集中力、忍耐力との勝負です。


▲ ダンサーが踊る映像をコマ送りしながら、豆をちょっとずつ動かしていく地道な作業です


▲ 透明の“てぐす糸”をつないだものを数本組み合わせて豆ダンサーをつくります。分解されたらこうなるそうです…


▲ なんと使いやすい商品の特徴が裏目に出てしまったというシーンは、CMの冒頭に一瞬だけ映ります
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「ミックスビーンズ ドライパック」は“開けやすさ”が特徴のひとつです。
缶のふたが“しなり”にくいので、パカっとはずれやすくなっているんです。が
……ふたを徐々に開けていく動きをコマ撮りしたくてもなかなかうまくいかず。
開けやすいがゆえに失敗の連続でした。
ふたに印字されている文字の向きも正面を向いた状態にしたいので、缶も選び抜
いたものを使っています。撮影、リハーサル、料理など含めて、使用した缶の数
はトータルで約120缶(!)。もちろん中身の豆は、皆で美味しくいただきまし
たよ。「ミックスビーンズ ドライパック」は“開けやすさ”が特徴のひとつです。缶のふたが“しなり”にくいので、パカっとはずれやすくなっているんです。が……ふたを徐々に開けていく動きをコマ撮りしたくてもなかなかうまくいかず。開けやすいがゆえに失敗の連続でした。
ふたに印字されている文字の向きも正面を向いた状態にしたいので、缶も選び抜いたものを使っています。撮影、リハーサル、料理など含めて、使用した缶の数はトータルで約120缶(!)。もちろん中身の豆は、皆で美味しくいただきましたよ。


▲ 何度も撮り直しになってしまった缶のふたのエピソードについて熱く語る後藤さん


▲ 料理はすべてその場で手づくり。お皿は分度器で測りながら数センチずつ回して撮影したそうです
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コマ撮りのカット数はもちろん、豆を保湿する、スープが沈殿して色が変わら
ないようにかき混ぜる、お皿を分度器で測りながら、中心がズレないように回
す……など、撮影って本当に地道な作業の連続です。そして本来、「ミックス
ビーンズ ドライパック」は、メインの食材というより、脇役で活躍するような
商品です。それが、こんなにポップで軽やかなイメージに仕上がっていて、制
作の方々には感謝しています。ふたをあけるとたちまち豆ダンサーたちが現れ
て華やかに踊り出すところにも、商品の良さがうまく表現されていますし、ア
イドルのような歌詞に込められた商品の特徴も、ぜひ聞き逃さずチェックして
みてください。コマ撮りのカット数はもちろん、豆を保湿する、スープが沈殿して色が変わらないようにかき混ぜる、お皿を分度器で測りながら、中心がズレないように回す……など、撮影って本当に地道な作業の連続です。そして本来、「ミックスビーンズ ドライパック」は、メインの食材というより、脇役で活躍するような商品です。それが、こんなにポップで軽やかなイメージに仕上がっていて、制作の方々には感謝しています。ふたをあけるとたちまち豆ダンサーたちが現れて華やかに踊り出すところにも、商品の良さがうまく表現されていますし、アイドルのような歌詞に込められた商品の特徴も、ぜひ聞き逃さずチェックしてみてください。


▲ 今回の取材を引き受けてくださった「ミックスビーンズ ドライパック」の後藤さんと、「梅酢たこ」の大当さん(左)。
( 取材・文 SATETO編集部 )